【今日は何の日】8月20日はラヴクラフト氏の誕生日

遊戯王

はじめに

今からおよそ120年余り前、のちにカルト的な人気をもたらす作品を書き上げる一人の作家が誕生します。その名もハワード・フィリップス・ラヴクラフト。知る人ぞ知る「クトゥルフ神話」の原作者であり、彼の書き上げた作品は彼の死後に体系化されたことで様々な人たちに知れ渡ることとなりました。

「クトゥルフ神話」はこの日本でもTRPGやファンタジー作品の定番として重宝され、それを基にした作品がいくつも誕生しました。有名処で言えばライトノベルの「這いよれ!ニャル子さん」が筆頭でしょうし、私の大好きな遊戯王でも「彼ら」はおどろおどろしい見た目のモンスターとして登場しています。

今回の記事はそんなラヴクラフト氏を偲ぶ者となっています。
ちょっとだけ遊戯王の話も混ざりますがご了承くださいね。


ラヴクラフトとクトゥルフ神話

1890年8月20日、アメリカ合衆国ロードアイランド州に生まれたハワードは若い頃から自身の文才を開花させます。内向的だった彼は幼少期から神話・ホラーといった物に触れていたこともあってそういった作品を書くようになりますが、それが生前のうちに広く認められることはありませんでした(一定の人たちからは評価されていましたが)。

彼が有名になったきっかけは何度も言う通り「クトゥルフ神話」です。
しかしそれは彼が作り上げた物でなく、ハワードの死後に友人が彼の物語を体系化したものでした。彼の作り上げた独特な世界観や「宇宙的恐怖」といった物は現在でもコアなファンを獲得し続けており、多くの有名な作家たちに影響を与えています。

そんな彼が作り上げることとなった「クトゥルフ神話」には「旧支配者」「外なる神」「旧神」と呼ばれる者たちが登場します。それがかの有名なヨグ=ソトースだったりノーデンスだったりするわけですね。そういった登場人物(?)以外にも、人の眠りの中に存在する「幻夢境(ドリームランド)」や幻視の果てにある「無名都市」など、数多くの心くすぐるキーワードが出てきます。

《幻夢境》

【フィールド魔法】

「幻夢境」は1ターンに1枚しか発動できない。
①:フィールドのモンスターの種類によって、以下の効果を得る。
●融合:1ターンに1度、自分の手札・フィールドのモンスターが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
●S:モンスターの召喚・特殊召喚成功時に自分はこの効果を発動できる。そのモンスターのレベルを1つ上げる。
●X:自分エンドフェイズに発動する。フィールドのレベルが一番高いモンスターを破壊する。

ほら、しっかりこれもカードになってる。

クトゥルフ神話は日常から位相のずれた「非日常」を描く物語であるため中毒性も高く、創作を含めて多くの人々に愛されることとなりました。そこに出てくる者たちをいちいち挙げればきりがありませんが、ここでは遊戯王で取り上げられているものだけを紹介することとします。


ノーデンス:《旧神ノーデン》

《旧神ノーデン》

【融合・効果モンスター】(禁止カード)
星4/水属性/天使族/攻2000/守2200

SモンスターまたはXモンスター+SモンスターまたはXモンスター
①:このカードが特殊召喚に成功した時、自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは除外される。

ラヴクラフトの死後、彼の友人であったダーレスによって「旧神」というカテゴリが作られました。その中に入ることとなった者のうちの一人がノーデンスです。老人でありながらも力強く堂々とした姿であり、貝の戦車を何か生き物に曳かせながら杖を振るう、このカードイラストが示す通りでしょう。比較的好意的とは書かれていますが、如何せん向こう視点なので人間側からしたら迷惑でしかない存在です。それでも全知全能クラスの力を持っており、地球に眠る「旧支配者」を監視していると言われています。


ヌトス=カアンブル:《旧神ヌトス》

《旧神ヌトス》

【 融合モンスター 】 
星 4 / 光 / 天使族 / 攻2500 / 守1200 

Sモンスター+Xモンスター
自分フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。自分は「旧神ヌトス」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
①:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚する。
②:このカードが墓地へ送られた場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。 

ダーレスがまとめた神話体系においては「旧神」と「旧支配者」は激しい争いをしているものとされ、その旧神の一人ヌトス=カアンブルは旧支配者の下僕を退けるための「旧き印」を作ったとされています。その紋章が刻まれた盾と槍を持ち、頭にギリシャ風の兜を被っているとされている彼女の姿はイラストに示された通りでしょう。彼女はのちに「地球本来の神々」になったともされており、そうだとするなら我々が「神」と無意識に呼ぶ者は彼女であるのかもしれません。


旧き印、エルダーサイン:《旧神の印》

《旧神の印》

【 通常魔法 】 

1000ライフポイント払う。相手の裏側カードを全てめくった後、元に戻す。(この時カードの効果は発動しない) 

先程のヌトス=カアンブルが作ったとされる印は前述の通り「旧支配者」の下僕を退ける効果を持っていますが、それが必ずしも効果があるわけではありません。また、「旧支配者」自体には効果がないとされています。印は「中央で五本に分岐した線上の星」「中心に燃える柱(あるいは目)を持った五芒星」とか言われています。


アザトース:《外神アザトート》

《外神アザトート》

【 エクシーズモンスター 】 
星 5 / 闇 / 悪魔族 / 攻2400 / 守0 

レベル5モンスター×3
このカードは自分フィールドの「外神」Xモンスターの上にこのカードを重ねてX召喚する事もできる。このカードはX召喚の素材にできない。
①:このカードがX召喚に成功したターン、相手はモンスターの効果を発動できない。
②:このカードが融合・S・Xモンスターを全てX素材としている場合、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊する。 

泡立つような身体であり実体を持たない盲目の黒影――時には「白痴の実体」「白痴の魔王」とも呼ばれるアザトースはラヴクラフト作品の中で最も大変な神と呼んでも良いでしょう。具体的には万物の「存在」を司る神、とかなりスケールが大きく、とてもではないが我々に理解できるようなものではありません。「旧支配者」が蘇る時にアザトースも再来するとみられています。


ニャルラトホテプ:《外神ナイアルラ》

《外神ナイアルラ》

【 エクシーズモンスター 】 
星 4 / 地 / 悪魔族 / 攻0 / 守2600 

レベル4モンスター×2
①:このカードがX召喚に成功した時、手札を任意の枚数捨てて発動できる。このカードのランクは、捨てた枚数分だけ上がる。
②:1ターンに1度、このカードがX素材を持っている場合に自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。このカードのX素材を全て取り除き、対象のモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。このカードの種族・属性は、この効果でX素材としたモンスターの元々の種族・属性と同じになる。 

盲目で白痴である神、アザトースの配下であるニャルラトホテプはその意に沿って行動すると言われています。「旧支配者」の中では唯一幽閉されておらず、自らの意思で様々な場所に様々な姿で現れるらしいですよ。遊戯王でのカード効果もニャルラトホテプの「変幻自在」を見事に表現しています。


クトゥグア:《古神クトグア》

《古神クトグア》

【 シンクロモンスター 】 
星 4 / 炎 / 炎族 / 攻2200 / 守200 

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。フィールドのランク4のXモンスターを全て持ち主のエクストラデッキに戻す。
②:このカードを素材とした融合召喚に成功した場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
③:フィールドのこのカードを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。
●このX召喚に成功した場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。 

ラヴクラフト亡き後、友人のダーレスはクトゥルフの神々をかつてのヨーロッパにあった四大元素へそれぞれ当てはめます。しかしその時に「炎」を担当する神がおらず、そこで生み出された神格がクトゥグアでした。先述のニャルラトホテプの天敵であり、かつて地球上に召喚された時は拠点であるン=ガイの森を焼きつくしました。熱を操る神に相応しく「生ける炎」の姿で顕現するとされています。


ハスター:《古神ハストール》

《古神ハストール》

【 シンクロモンスター 】 
星 4 / 風 / 爬虫類族 / 攻2300 / 守1000 

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。墓地のこのカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
②:このカードの効果で相手モンスターに装備されているこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。自分はこのカードを装備していた相手モンスターのコントロールを得る。

黄衣の王、と呼ばれることもあるハスターは四大元素の中で「風」を担当します。地球からはるか遠くの暗い恒星にあるハリ湖に封印されていると言われ、その姿は巨大なトカゲであったりイラストのような黄色いマントを纏った男であるのが有名です。かつては慈悲深い羊飼いの神でしたが、後に設定が盛りに盛られたことで最終的に強大な力を得ることになりました。海底に沈んだ都市ルルイエに封印されている神「クトゥルフ」とは激しく対立しています。


輝くトラペゾヘドロン:《禁断のトラペゾヘドロン》

《禁断のトラペゾヘドロン》

【 通常魔法 】 

「禁断のトラペゾヘドロン」は1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドの融合・S・Xモンスターが、その内2種類のみの場合、その組み合わせによって以下の効果を適用する。
●融合・Sモンスター:エクストラデッキから「外神」Xモンスター1体を特殊召喚し、このカードを下に重ねてX素材とする。
●S・Xモンスター:エクストラデッキから「旧神」融合モンスター1体を特殊召喚する。
●X・融合モンスター:エクストラデッキから「古神」Sモンスター1体を特殊召喚する。 

直径約10センチメートル程の多面体である「輝くトラペゾヘドロン」は、それを見つめた者の心に異界の光景を浮かび上がらせてニャルラトホテプを召喚させます。暗黒星ユゴスで造られたこれは地球にやって来た後も様々な場所を巡ることとなり、現在は宗教団体「星の智慧派」が持っているとされています。


ルルイエ異本:《禁断の異本》

《禁断の異本》

【 通常罠 】 

①:モンスターカードの種類(融合・S・X)を1つ宣言して発動できる。宣言したモンスターがフィールドに2体以上表側表示で存在する場合、お互いのプレイヤーはフィールドのその種類のモンスターを全て墓地へ送らなければならない。

紀元前3000年頃に書かれたこの本はかつては人類以前の言語を用いて書かれていたとされていますが、今残っている写本は人皮で装丁された本に漢文で書かれた物のみとなっています。中身はクトゥルフとその眷属たちの知識、歴史とされており、記されている呪文はあまりに強い影響を持つそうです。


まとめ

ラヴクラフトの物語は多くの人たちを魅了してきました。それ程までに彼とその友人たちが作った世界が広く、深く、底の知れないものであることはもはや語るまでもないでしょう。ここで取り上げたモノ以外にも魅力的なキーワードがクトゥルフ神話の世界には溢れているため、興味が湧いたのであれば彼の世界に足を踏み入れてみてください。

ある人は小説で、ある人は漫画で、ある人はTRPGの卓で……様々な人たちが彼の書き上げた物語を楽しんでいます。友人による編纂、という他の神話とは一風変わった成り立ちを持つからこそ発展した、というのもあるでしょう。ダーレスの行動は賛否が分かれますが、彼の行ったことが物語の枠を広げた、という捉え方もできます。

そんなクトゥルフ神話の作者、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトは1937年3月15日、46歳で亡くなりました。彼の一生や残していった物を偲びながら今日一日を過ごしてみてはどうですか?

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