【全18種】手札を捨てる有用カード紹介

デッキ構築&プレイングサポート

最終更新:2023年2月5日

はじめに

「手札を捨てる」効果は昔から一部のカードテキストに書かれています。しかし、多くの場合は「手札を墓地へ送る」という結果が重要視され、捨てることそれ自体にスポットが当たることは滅多にありません。しかし、【魔轟神】【暗黒界】【未界域】といったデッキでは話が違ってきます。

数こそ多くありませんが、「手札から捨てられた場合」という特殊な条件に対応したカードを使って戦うデッキは、一般的に利用される汎用カードを抜いてでも「捨てる」効果を持つカードをメインデッキに入れる場合があるでしょう。

そう言ったデッキを作る際に役立つ、「手札を捨てる処理」を行うカードの中で有用なものをいくつかピックアップして紹介します。
「効果で捨てる」カードと「コストで捨てる」カードの二つに分けて見ていきます。


「効果で捨てる」カード

以下のカードは「暗黒界」カードの効果を発動するトリガーになれます。

未界域のツチノコ》 / 《未界域のジャッカロープ》

《未界域のツチノコ》

【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / 爬虫類族 / 攻1300 / 守0

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:手札のこのカードを相手に見せて発動できる。自分の全ての手札の中から、相手がランダムに1枚選び、自分はそのカードを捨てる。それが「未界域のツチノコ」以外だった場合、さらに手札から「未界域のツチノコ」1体を特殊召喚し、自分はデッキから1枚ドローする。
②:このカードが手札から捨てられた場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。

《未界域のジャッカロープ》

【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / 獣族 / 攻500 / 守2000

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:手札のこのカードを相手に見せて発動できる。自分の全ての手札の中から、相手がランダムに1枚選び、自分はそのカードを捨てる。それが「未界域のジャッカロープ」以外だった場合、さらに手札から「未界域のジャッカロープ」1体を特殊召喚し、自分はデッキから1枚ドローする。
②:このカードが手札から捨てられた場合に発動できる。デッキから「未界域のジャッカロープ」以外の「未界域」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

ランダムで自分の手札を墓地へ捨てますが、どう転んでもディスアドにならないのが偉いカード。予め汎用札を伏せて「捨てられた場合の効果」を持つカードだけを残して使うことで、手札から展開&1枚ドローしながら効果発動……なんてことも狙えます。最後はどうしても運が絡みますが、能動的に手札を捨てる手段として非常に優れているカードです。

「未界域」モンスターはいずれも似たような効果を持っていますが、その中でも、他テーマと絡ませやすい展開札としてこのツチノコとジャッカロープの2体は優秀です。

魔轟神獣アバンク》 / 《魔轟神マルコシア》

《魔轟神獣アバンク》

【 チューナーモンスター 】
星 2 / 光 / 獣族 / 攻1000 / 守600

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが墓地に存在する場合に発動できる。手札から「魔轟神」モンスター1体を捨て、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

《魔轟神マルコシア》

【 効果モンスター 】
星 4 / 光 / 悪魔族 / 攻1700 / 守0

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札に存在する場合に発動できる。「魔轟神」モンスターを含む、「魔轟神マルコシア」以外の手札のモンスターを2体まで捨て、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードの攻撃力は、この効果で捨てたモンスターの数×200アップする。
②:このカードが手札から墓地へ捨てられた場合に発動する。デッキから「魔轟神」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

《魔轟神アバンク》は、レベル6シンクロモンスター《魔轟神アンドレイス》を場に出す際に重宝するカードです。レベル6かつチューナーに「魔轟神」モンスターを指定していることから、レベル2チューナーであるアバンクが使いやすいでしょう。

また、《魔轟神マルコシア》が捨てられれば②の効果が発動し、継続的に手札を捨てられるフィールド魔法《魔轟神界の階》、手札を捨てながら盤面を1枚破壊できる罠カード《弑逆の魔轟神》をサーチできます。デッキ内にある程度「魔轟神」モンスターがあればカテゴリ外のモンスターともコンボを決められるため、類似の効果を持つ汎用カードより採用しやすいかもしれません。

《砂漠の飛蝗賊》

《砂漠の飛蝗賊》

【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 6 / 地 / 昆虫族 / 攻1500 / 守2400

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動する。ターンプレイヤーは自身の手札を1枚選んで捨てる。
②:相手メインフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

《ホップ・イヤー飛行隊》などで相手ターン中にシンクロ召喚することでハンデスを行えますが、自分の手札を捨てても良いなら、これは使い勝手の良いレベル6シンクロとなります。残しておけば相手ターンへの備えにもなるでしょう。

《No.60 刻不知のデュガレス》

《No.60 刻不知のデュガレス》

【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 炎 / 悪魔族 / 攻1200 / 守1200

レベル4モンスター×2
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードのX素材を2つ取り除き、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分はデッキから2枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。次の自分ドローフェイズをスキップする。
●自分の墓地からモンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。次の自分メインフェイズ1をスキップする。
●自分フィールドのモンスター1体を選び、その攻撃力をターン終了時まで倍にする。次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。

様々なデッキでも使われる汎用ランク4ですが、実はこのカード、手札を「効果で捨てる」ことができます。次のターンのドローフェイズがスキップされるデメリットこそありますが、このターンの内になるべく多くアドバンテージを稼いでおきましょう。
ドロー加速だけでなく、盤面に応じて他の効果を選べるのも魅力的です。

《暗黒界の取引》

《暗黒界の取引》

【 通常魔法 】 

①:お互いのプレイヤーはデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。

「手札を捨てる」効果を持つカードの中ではおそらく一、二を争う知名度のカードでしょう。本家【暗黒界】では最も頼りになるサポートカードの1枚でもあり、それ以外のデッキでも手札交換カードとして用いられることがあります。ただ使うだけでは1枚分ディスアドバンテージになってしまうため、手札を捨てる効果・墓地効果と併用してアド損を補い、更なる展開へ繋げたいですね。

《手札抹殺》

《手札抹殺》

【 通常魔法 】 

①:手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれ自身が捨てた枚数分デッキからドローする。

手札を全て捨てることができる性能、相手まで巻き込める点で、他のカードとは一線を画した効果となっています。擬似的なマリガンとして作用する他、先攻盤面で使えば相手のデッキ情報を得ることもできるでしょう。

《エクストラゲート》

《エクストラゲート》

【速攻魔法】

1から12までの任意のレベルを宣言して発動する。相手はエクストラデッキに存在する宣言されたレベルを持つモンスター1体をゲームから除外する。宣言したレベルを持つモンスターが相手のエクストラデッキに無かった場合、自分の手札を1枚選択して捨てる。

相手のエクストラデッキのカードを1枚除外するか、手札を1枚捨てるかのどちらかを狙って宣言できます。エクシーズ・リンクモンスターといった「レベルを持たない」モンスターを搭載したデッキも多いですが、カテゴリの融合モンスターや、《フルール・ド・バロネス》あたりの汎用シンクロモンスターが狙い目になるでしょう。

相手ターンでも効果発動できる点、相手のエクストラデッキを覗ける点、状況によって展開を妨害できる点で、他の似た効果を持つカードと差別化して採用したいですね。

《オールド・マインド》

《オールド・マインド》

【 通常魔法 】 

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:相手の手札をランダムに1枚確認する。その後、以下の効果から1つを選んで適用する。
●確認したカードと同じ種類(モンスター・魔法・罠)の自分の手札のカード1枚と確認した相手のカードを捨てる。その後、フィールドのこのカードを相手の手札に加え、自分はデッキから1枚ドローする。
●自分は1000LPを失う。 

うまく決まれば、相手の手札を捨てながら自分もカードを捨てられます。
環境における主流デッキの魔法・罠カード、それが手札にある可能性、自分が使うデッキレシピ、諸々の調整と経験は必要ですが、相手の手札を奪いながら展開できると考えると非常に魅力的なカードです。普段の遊戯王にはないゲーム性も付与できるため、対戦相手へのちょっとしたサプライズにもなります。

《光の召集》

《光の召集》

【 通常罠 】 

①:自分の手札を全て捨てる。その後、この効果で墓地へ捨てられたカードの数だけ、自分の墓地から光属性モンスターを選んで手札に加える。

光属性モンスターの「魔轟神」モンスターなら、罠カードである《光の招集》も視野に入ります。
しかし、手札を捨てた後に墓地回収効果が入ることで「タイミングを逃す」かもしれないこと、捨てたカードをすぐに回収しても「捨てられた場合の効果」が発動しないことには注意が必要です。


「コストで捨てる」カード

《音響戦士ギータス》

《音響戦士ギータス》

【 ペンデュラムモンスター 】 
星 3 / 風 / 機械族 / 攻1500 / 守100 

【Pスケール:青7/赤7】
「音響戦士ギータス」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「音響戦士ギータス」以外の「音響戦士」モンスター1体を特殊召喚する。

【モンスター効果】
①:このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。 

手札1枚をコストにデッキから「音響戦士」モンスターを呼び出せます。最近は《音響戦士ディージェス》といった仲間も登場し、元々使いやすかったこのカードも評価が更に突き抜けました。チューナー・非チューナーとバリエーションも豊富でレベルもばらけていることから、P効果が通ればリンク・シンクロ・エクシーズ召喚を強力にサポートしてくれること間違いなしです。

《マテリアクトル・ギガドラ》

《マテリアクトル・ギガドラ》

【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / ドラゴン族 / 攻1000 / 守1000

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:手札を1枚捨てて発動できる。手札・デッキからレベル3の通常モンスター1体を特殊召喚する。通常モンスターを捨てて発動した場合、特殊召喚するモンスターを「マテリアクトル」モンスター1体にできる。

「マテリアクトル」は現状、メインデッキに入るモンスターがこの「ギガドラ」しか存在していません。このカードが場に出ていればエクシーズ召喚以外の展開がやりづらくなるため、早々にランク3エクシーズを立てて次の展開に繋げたいところです。

《相愛のアンブレカム》

《相愛のアンブレカム》

【 チューナーモンスター 】 
星 3 / 水 / 魔法使い族 / 攻500 / 守1500 

①:このカードが召喚に成功した時、手札を1枚捨て、自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はSモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。 

手札コスト1枚で、墓地のレベル4以下のモンスターを効果を無効にして蘇生できます。効果発動後はエクストラデッキからシンクロモンスターしか出せなくなりますが、発動前なら制限はかからないため、事前に他のカードでリンク召喚は住ませておきましょう。
水属性モンスターのため、「海皇」モンスターの効果発動のトリガーになれます。

《竜魔導の守護者》

《竜魔導の守護者》

【 効果モンスター 】 
星 4 / 闇 / ドラゴン族 / 攻1800 / 守1300 

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、このカードの効果を発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「融合」通常魔法カードまたは「フュージョン」通常魔法カード1枚を手札に加える。
②:EXデッキの融合モンスター1体を相手に見せて発動できる。そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を自分の墓地から選んで裏側守備表示で特殊召喚する。 

融合召喚を強力サポートしてくれるドラゴン族モンスターカードです。手札1枚が《フュージョン・デステニー》《ネオス・フュージョン》等の強力な融合魔法カードに化け、二の矢を構えながら本命の「手札から捨てられた場合」の効果を発動できます。融合モンスターのテキストで名称が指定されているモンスターを活用する場合は、②の効果で更なるアドバンテージを稼げるでしょう。

《警衛バリケイドベルグ》

《警衛バリケイドベルグ》

【 リンクモンスター 】
星 2 / 闇 / 機械族 / 攻1000 /

カード名が異なるモンスター2体
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。このターンのエンドフェイズに、自分の墓地から永続魔法カードまたはフィールド魔法カード1枚を選んで手札に加える。
②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの表側表示の魔法カードは相手の効果では破壊されない。

【LINK-2:左/下】

タイミングは遅くなりますが、墓地の永続魔法・フィールド魔法を回収することで、次のターンからの動きを安定させられます。自分フィールドの魔法カードを守ることもできるため、要のカードを維持したい場合に適当なモンスター2体で壁を作れます。

《ライトニング・ボルテックス》

《ライトニング・ボルテックス》

【 通常魔法 】 

①:手札を1枚捨てて発動できる。相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。

《サンダー・ボルト》《ブラック・ホール》《ライトニング・ストーム》が生きている現在、このカードを採用するかという話はありますが……敢えて使う利点をひねり出すなら、相手の《抹殺の使命者》をかわせる点が挙げられるでしょう。

《強引な安全協定》

《強引な安全協定》

【 通常罠 】

手札を1枚捨てる。このターンのエンドフェイズ時まで、罠カードを発動する事はできない。

相手の罠カードを封じるなら、手札から発動できるカウンター罠《レッド・リブート》がありますが、それでも物足りない時のためにこんなカードもあります。環境によって罠カードの重要性が異なるため、わざわざこのカードを採用するかは対戦相手次第になるでしょう。


おわりに

「手札を墓地へ送る」「手札をリリースする」「手札を破壊する」……様々な書き方で手札のカードは墓地へ行きますが、その中でも「手札を捨てる」はなかなか見ることのない書き方です。そうであるが故に一部のデッキは「捨てる」効果を持つ新規カードを待ち続けていました。

新しく「未界域」が登場し、古株であった「魔轟神」も新規カードが登場し、「暗黒界」もストラクチャーデッキのリメイクが決まっています。遊戯王の中では決してメジャーな戦術ではありませんが、少し色の違うデッキで戦いたいデュエリストは「カードを捨てる」戦術の世界へ足を踏み入れてみてはどうでしょう?


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