【遊戯王】2019年10月施行の新リミットレギュレーション特集

遊戯王

はじめに

もうこんな時期になっていました、早いですね。最近の環境を見ている限りだと、ある特定のデッキのみが大会を支配しているといったようなことはなく様々なデッキが見られます。これはカードゲームとしても非常に健全で、多様なプレイングが容認されているということでもあるので大変いいことです。

さて、決闘者の皆さんはもう既に知っているでしょうが「EXTRA PACK 2019」が遂に発売されました。その中に収録されている「未界域」カードが日本で大暴れするのではないか、という話でしたが、他にもやって来ていた手札誘発カードの影響もあって当初言われていた程の影響は及ぼしてないように思えます。

いったい次の環境はどのようなカードが生まれ、どのようなデッキが隆盛していくのか。前環境の復習といった意味も込めて、新しくなったレギュレーションでの変更点をさらっていきましょう。


新制限紹介

※新たに制限になったカード、制限が強化されたカードは太字で示します。


禁止カード

《守護竜アガーペイン》
《エクリプス・ワイバーン》
《ソウル・チャージ》

環境で【ドラゴンリンク】が暴れ回っていたことを受け、それを非常に強く意識した結果となりました。アガーペインの効果でエクストラデッキから《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》や《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》といった強い制圧力を持つモンスターを特殊召喚できたため一方的なゲーム展開を築きがちでした。
《ソウル・チャージ》は登場当時からかなり強いと言われていたカードで、環境ではあまり見る機会はないものでしたが、いつその力が爆発するか分からないと言う意味での規制でしょうか。文句なしのパワーカードであったことは間違いありません。


制限カード

《輝白竜ワイバースター》
《鎖龍蛇-スカルデット》
《ドラコネット》
《魔鐘洞》
・《十二獣の会局》
・《ドラゴニックD》

環境で活躍する《ドラコネット》《魔鐘洞》が制限カードになり、【ドラゴンリンク】【ロックバーン】が大打撃を受けた結果になりました。また、第9期最終盤で生まれた【十二獣】【真竜皇】のキーカードが緩和され、ようやく時代がこの2枚に追いついてきたという感じがしますね。スカルデットとワイバースター規制の影響は軽微でしょう。


準制限カード

・《E・HERO シャドー・ミスト》
・《捕食植物オフリス・スコーピオ》
・《レディ・デバッガー》
・《妨げられた壊獣の眠り》
・《SPYRAL RESORT》
・《名推理》
・《竜呼相打つ》
・《ワン・フォー・ワン》

かつての強豪デッキのキーカードが次々と緩和されていますが、一番の目玉は《ワン・フォー・ワン》が緩和されたことでしょう。レベル1モンスターはテーマの中でも重要な役割を担うことも多く、そこを起点に展開できるデッキにとっては朗報となります。今まで牙を抜かれていたテーマが次々と復活していく流れはワクワクしてきますね。


制限解除カード

・《ABC-ドラゴン・バスター》
・《ダーク・アームド・ドラゴン》
・《TG ハイパー・ライブラリアン》
・《デビル・フランケン》
・《氷結界の龍 トリシューラ》
・《影霊衣の反魂術》
・《リミッター解除》
・《神の通告》

分かる人には分かると思うんですが、かつて環境で暴れまわっていたメンツがこうして軒並み制限解除になっているのを見ると時代の流れを感じます。《ABC-ドラゴン・バスター》はまさにその代表的カードです。他にも《神の通告》が3積み出来るようになったり《リミッター解除》が3投出来るようになったりと、新たな時代を予感させますね。
ちなみに【影霊衣】は《ユニコールの影霊衣》の緩和が残っているのでまだフルパワーではありません。


大きな影響を受けるデッキ

今回の緩和で特に大きく影響を受けるデッキを紹介します。
構築の際の参考にしてみてください。

弱体化されたデッキ

【サイバース族】

《サイバネット・マイニング》

【通常魔法】

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:手札を1枚墓地へ送って発動できる。デッキからレベル4以下のサイバース族モンスター1体を手札に加える。

今回の改訂で特に大きく影響を受けることになったのはこのデッキでしょう。《ドラコネット》《レディ・デバッガー》というサイバース族全体を強力にサポートするカードが揃って規制され続けているため、弱体化は必至です。


【ドラゴンリンク】

《星遺物の守護竜》

【永続魔法】

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:このカードの発動時に、自分の墓地のレベル4以下のドラゴン族モンスター1体を対象にできる。その場合、そのモンスターを手札に加えるか特殊召喚する。
②:1ターンに1度、自分フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターの位置を、他の自分のメインモンスターゾーンに移動する。

《守護竜アガーペイン》を失ったことでエクストラデッキからの特殊召喚による盤面制圧ができなくなり、戦略の見直しを迫られる形になりました。しかしその展開力は健在であるため、また別の形をとって暴れ回ることは十分に考えられます。


【ロックバーン】

《波動キャノン》

【永続魔法】

フィールド上のこのカードを自分のメインフェイズに墓地へ送る。このカードが発動後に経過した自分のスタンバイフェイズの数×1000ポイントダメージを相手に与える。

相手を長期にわたって拘束できる《魔鐘洞》が制限カードになったことで、ロックを一度剥がされた際の対応力が明らかに落ちました。代えの利かないカードだった為に、同じようなデッキタイプで環境に残り続けるのは難しくなりましたね。


強化されたデッキ

【インフェルノイド】

《インフェルノイド・デカトロン》

【効果モンスター】
星 1 / 炎 / 悪魔族 / 攻500 / 守200

①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「インフェルノイド・デカトロン」以外の「インフェルノイド」モンスター1体を墓地へ送る。このカードのレベルをそのモンスターのレベル分だけ上げ、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。

《名推理》の緩和で墓地肥やしが容易になったことはもちろん、《ワン・フォー・ワン》での《インフェルノイド・デカトロン》の特殊召喚が易化しました。デッキとしての限界値はそこまで変わりませんが、より安定した動きができそうです。


【SPYRAL】

《SPYRAL-ダンディ》

【効果モンスター】
星 4 / 地 / 戦士族 / 攻1900 / 守1200

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札に存在する場合、カードの種類(モンスター・魔法・罠)を宣言して発動できる。相手のデッキの一番上のカードをお互いに確認し、宣言した種類のカードだった場合、このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが「SPYRAL」カードの効果で特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

《SPYRAL RESORT》が緩和されたことでテーマ全体へのアクセスが容易になったことに加えて《ワン・フォー・ワン》の緩和で《SPYRAL-ジーニアス》の特殊召喚が簡単になってしまいました。これはもう宇宙が見えますよ。宇宙ですよ奥さん。


【ランク9】

《星遺物の胎導》

【速攻魔法】

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●手札からレベル9モンスター1体を特殊召喚する。
●自分フィールドのレベル9モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターとは元々の種族・属性が異なる レベル9モンスター2体をデッキから特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。 この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。

《ドラゴニックD》の緩和によって「真竜皇」を手札で破壊するギミックが復活し、よりレベル9モンスターを場に並べやすくなりました。現在流行りの【王(ジェネレイド)】もフィールド魔法を主軸とした戦法を使う為《テラ・フォーミング》を共有できますし、「真竜皇」なら手札のモンスターを破壊することで強引に場に出ることもできます。


まとめ

冒頭でも取り上げたように最近は一つのデッキが突出して強い(例:EMEm)環境ではなく、多くのデッキが互いに互いを睨み合っている良い環境となっています。そのため今回の改訂でも環境に大きな変化は与えたくないのではないか、という意向が伺えました。カードゲームとしては健全な状況であるため、今後様々なカードが刷られたとしてもこのような多様性を残していけるように願うばかりです。

さて、最近少し気になることと言えば《原始生命態ニビル》がやってきたということ。5回、というキーワードの影響力は凄まじく、カジュアルでも環境でも無視できない影響をもたらしそうな予感がします。展開力がずば抜けていたデッキでさえも見直しを余儀なくされ、今後どうなるかはなかなか読めません。

激動の時代、というと少し語弊はありますが、今までの遊戯王と比べて雰囲気が変わりつつある節目にいることは間違いないでしょう。今後も様々な情報に目を光らせていきたいですね!
ここまで読んでいただきありがとうございます。白金がお送りしました!


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