時代の終わりを告げし者「ネメシス」デッキ紹介

デッキ紹介
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はじめに

第10期も終わりに差し掛かったところで発売されたレギュラーパック「ETERNITY CODE」は”時代の最後”と言うだけあってそれまでに発売された過去テーマが大量に強化されたパックでしたが、勿論それだけではありません。新しいカテゴリである「ネメシス」はその強力な展開力が特徴で、除外をアドバンテージとする制圧系デッキとしても名を轟かせることとなりました。

そして第11期の最初を告げるパック「RISE OF THE DUELIST」に強化カードである《ネメシス・キーストーン》が収録されることとなります。同パックではこの他にも「戦華」や「メガリス」といったカテゴリが強化されることが決定しており、第11期に入ってからも10期のデッキの強化は続きそうですね。

「アークネメシス」モンスターによる盤面制圧は、第9期の最後に登場した《真竜皇 V.F.D.》を彷彿とさせます。真竜と同じ時代の最後を飾った【ネメシス】がどのようなデッキかを確認していきましょう。


デッキコンセプト紹介

【ネメシス】には大きく分けて二つの特徴があります。それは「除外されているモンスターをデッキに戻して特殊召喚できる下級モンスター」と「強力な制圧効果を持った最上級モンスター」が含まれていることです。簡単に効果を説明するとこのような感じになります。

最上級「ネメシス」モンスター(2種)

このカードは通常召喚できない。自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、(種族 / 属性)が異なるモンスター3体を除外した場合に特殊召喚できる
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
②:フィールドのモンスターの(種族 / 属性)を1つ宣言して発動できる。フィールドの宣言した(種族 / 属性)のモンスターを全て破壊する。次のターン終了時まで、お互いに宣言した(種族 / 属性)のモンスターを特殊召喚できない。

下級「ネメシス」モンスター(4種)

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「(同名カード)」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す
②:(「ネメシス」モンスターを手札に加える固有効果)

最終的には最上級「ネメシス」モンスターを場に並べることで②の制圧効果を発動し、これによって相手の動きを縛りながらビートダウンしていくこととなります。特殊召喚する際の「(種族 / 属性)の異なるモンスター3体」という条件を下級「ネメシス」モンスターでサポートし、その動きを他のカードでモンスターを除外しながら更に補助していく、という形になるでしょう。

性質上、召喚権を使わない動きもできることからモンスターを除外するカテゴリとの混ぜ物ができるのも特徴です。《水晶機巧-ハリファイバー》や《ジェット・シンクロン》といった、使用後に除外されてしまうカードと組み合わせるのも良いですね。


「ネメシス」カテゴリカード紹介

最上級「ネメシス」モンスター

このデッキで目指す最終地点はこれらのモンスターの特殊召喚となります。これによって相手モンスターの特殊召喚制限をかけることで勝負を一気にこちらのものにしていきます。

《アークネメシス・エスカトス》

《アークネメシス・エスカトス》

【 効果モンスター 】
星 11 / 光 / ドラゴン族 / 攻3000 / 守2500

このカードは通常召喚できない。
自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、種族が異なるモンスター3体を除外した場合に特殊召喚できる。このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
②:フィールドのモンスターの種族を1つ宣言して発動できる。フィールドの宣言した種族のモンスターを全て破壊する。次のターンの終了時まで、お互いに宣言した種族のモンスターを特殊召喚できない。

「種族」を参照して特殊召喚ロックをかけるこのモンスターは「ネメシス」モンスターの中でも最高打点である攻撃力3000を誇り、コントロールした後にそのまま強力なビートダウンを叩き込むことができます。特殊召喚のための「種族」を水増しするために《リンクリボー》等のリンクモンスターを経由させても良いですね。ドラゴン族であることから、他のドラゴン族モンスターを採用すると《ドラゴン・目覚めの旋律》でデッキから手札に加えることができます。


《アークネメシス・プロートス》

《アークネメシス・プロートス》

【 効果モンスター 】
星 11 / 闇 / 幻竜族 / 攻2500 / 守3000

このカードは通常召喚できない。
自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、属性が異なるモンスター3体を除外した場合に特殊召喚できる。このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
②:フィールドのモンスターの属性を1つ宣言して発動できる。フィールドの宣言した属性のモンスターを全て破壊する。次のターンの終了時まで、お互いに宣言した属性のモンスターを特殊召喚できない。

先程の《アークネメシス・エスカトス》と異なりこちらは「属性」を参照するため、特殊召喚条件はあちらより少し厳しくなっています。その代わり特殊召喚制限の強烈さはこちらがやや上回っており、フィールドに出すことができればほとんどのデッキを機能不全にできるでしょう。幻竜族であることから罠カードの《幽麗なる幻滝》でデッキからサーチすることができますね。


下級「ネメシス」モンスター

最上級「ネメシス」モンスターの特殊召喚を支えるため、種族と属性をこれらのモンスターで頭数揃えていきます。また、除外されているモンスターをデッキに戻すことで召喚権を使わずに展開できるため、他のカードと組み合わせてガンガン展開していきたいですね。

《ネメシス・フラッグ》

《ネメシス・フラッグ》

【 効果モンスター 】
星 2 / 炎 / 炎族 / 攻1100 / 守200

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「ネメシス・フラッグ」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。
②:自分メインフェイズに発動できる。デッキから「ネメシス・フラッグ」以外の「ネメシス」モンスター1体を手札に加える

起動効果でデッキから同名カード以外の「ネメシス」モンスターを手札に加えることができます。除外されているモンスターが多ければそのまま共通効果で特殊召喚して次々とモンスターを並べられるため、初動の起点として是非フル採用したいところ。火属性炎族、というマイナー処を必須級のこのカードでカバーできる点は嬉しい限りです。


《ネメシス・アンブレラ》

《ネメシス・アンブレラ》

【 効果モンスター 】
星 3 / 水 / 水族 / 攻1500 / 守400

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「ネメシス・アンブレラ」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。
②:「ネメシス・アンブレラ」以外の自分の墓地の「ネメシス」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

墓地の「ネメシス」を手札に回収することで共通効果による展開を続けられます。最上級「ネメシス」モンスターの特殊召喚が墓地も参照することから、《アークネメシス・エスカトス》等の特殊召喚サポートにはなり得ませんが前述の《ネメシス・フラッグ》等を使いまわすことでアドバンテージを稼いでいきたいところです。墓地へ落ちた最上級「ネメシス」モンスターを回収してもう一度特殊召喚することもできます。


《ネメシス・コリドー》

《ネメシス・コリドー》

【 効果モンスター 】
星 4 / 風 / 雷族 / 攻1900 / 守600

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「ネメシス・コリドー」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。
②:「ネメシス・コリドー」以外の除外されている自分の「ネメシス」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

除外されている「ネメシス」モンスターを手札に戻しますが、知っての通り除外されているモンスターは「ネメシス」下級モンスターの特殊召喚効果のコストになるため他のモンスターとはややアンチシナジーです。しかし、最上級「ネメシス」モンスターを特殊召喚した後ならば効果の発動機会も多いため、デッキから「ネメシス」をサーチできる《ネメシス・フラッグ》を使いまわしていきましょう。

また、このカードに限ったことを言えば《超雷龍-サンダー・ドラゴン》の特殊召喚条件をこれ1枚で満たすことができ、手軽に相手のサーチを封じられるようになります。


《ネメシス・キーストーン》

《ネメシス・キーストーン》

【 効果モンスター 】
星1 / 地属性 / 岩石族 / 攻 700 / 守 0

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「ネメシス・キーストーン」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。
②:このカードが除外されたターンのエンドフェイズに発動できる。このカードを手札に加える。

②の効果の発動タイミングがエンドフェイズと遅いですが、レベル1であることを生かして《リンクリボー》をリンク召喚することで「闇属性・サイバース族」を場に出すことができます。《ワン・フォー・ワン》を積むことで手札のモンスターを墓地へ送って最上級「ネメシス」モンスターの特殊召喚をサポートできますし、岩石族であることを生かして《岩投げアタック》でデッキから直接墓地へ送ることもできます。


魔法・罠カード

増えろ。

《星義の執行者》

《星義の執行者》

【 速攻魔法 】

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「ネメシス」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚した元々のレベルが11以上のモンスターは、このターン効果を発動できない。

カテゴリ専用の蘇生札として扱えるこのモンスターは墓地の「ネメシス」をもう一度使いまわせます。《ネメシス・アンブレラ》とは対象範囲が重なるためどちらを使うかは状況次第ですが、一度場に出した「アークネメシス」モンスターをこれで簡単に蘇生できるのは魅力的な点です。その場合は効果の発動制限が付くため、相手ターンのエンドフェイズ等に蘇生させてやりましょう。


ここまでのおさらい

エクストラデッキを使わない【ネメシス】は効果の対象範囲が緩く設定されていることから他のデッキと混ぜやすくなっています。種族・属性がバラバラであればあるほど組みやすく、墓地が肥えやすいor除外されやすいカテゴリであれば猶更相性は抜群でしょう。

さて、ここまで見た内容をまとめると……

  • 【ネメシス】は制圧効果を持つ最上級モンスター「アークネメシス」と展開能力に長けた下級「ネメシス」モンスターで構成される。
  • 「アークネメシス」モンスターを特殊召喚するためデッキ内の種族・属性をなるべくばらけさせたい。
  • 下級「ネメシス」モンスターの共通効果(手札からの特殊召喚)はモンスターを除外するギミックと相性が良い。

魔法・罠のサポートカードが《星義の執行者》しかありませんが、混ぜ物としての組みやすさで様々なカテゴリのギミックを取り入れることで安定性を上げていきたいところ。相性のいいカードをこの後紹介します。


相性の良いカード紹介

「召喚獣」関連カード

《召喚師アレイスター》

【 効果モンスター 】
星 4 / 闇 / 魔法使い族 / 攻1000 / 守1800

①:このカードを手札から墓地へ送り、自分フィールドの融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで1000アップする。この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが召喚・リバースした場合に発動できる。デッキから「召喚魔術」1枚を手札に加える。

「召喚獣」融合モンスターは融合素材に様々な属性のモンスターを要求しますが、ネメシスと組むことで《召喚獣プルガトリオ》《召喚獣コキュートス》《召喚獣ライディーン》《召喚獣メガラニカ》を簡単に呼び出せるようになります。特に《召喚魔術》で墓地のモンスターを除外することで下級「ネメシス」モンスターの特殊召喚を補助できるため、お互いがお互いを助け合うような動きができるはずです。


「HERO」関連カード

《V・HERO ヴァイオン》

【 効果モンスター 】
星 4 / 闇 / 戦士族 / 攻1000 / 守1200

「V・HERO ヴァイオン」の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「HERO」モンスター1体を墓地へ送る。
②:1ターンに1度、自分の墓地から「HERO」モンスター1体を除外して発動できる。デッキから「融合」1枚を手札に加える。

数ある「HERO」の中でも《D・HERO ディアボリックガイ》との相性はぶっちぎりで良いでしょう。墓地のディアボリックガイを除外することでデッキから同名カードを特殊召喚し、下級「ネメシス」モンスターで除外したものをデッキへ戻すことで半永久機関を実現させることができます。また「HERO」は戦士族であるため属性・種族をかさ増しできるのも良い所です。


《抹殺の指名者》

《抹殺の指名者》

【 速攻魔法 】

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:カード名を1つ宣言して発動できる。
宣言したカード1枚をデッキから除外する。ターン終了時まで、この効果で除外したカード及びそのカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される。

手札誘発モンスターをケアできるこのカードですが、【ネメシス】では誘発ケア以外にも除外肥やしできる点が輝きます。「炎属性・アンデット族」の《灰流うらら》や「光属性・魔法使い族」の《エフェクト・ヴェーラー》が狙い目でしょうか。


お試しデッキレシピ紹介

※今記事では【ネメシス召喚獣】のレシピを紹介します。

メインデッキ
3 ネメシス・フラッグ
3 ネメシス・アンブレラ
2 ネメシス・コリドー
1 ネメシス・キーストーン
1 アークネメシス・エスカトス
1 アークネメシス・プロートス
3 召喚師アレイスター
1 妖精伝姫-シラユキ
2 ジェット・シンクロン
2 灰流うらら
1 エフェクト・ヴェーラー
3 増殖するG
2 星義の執行者
3 暴走魔導陣
2 召喚魔術
1 法の聖典
1 おろかな埋葬
1 ワン・フォー・ワン
3 簡易融合
3 抹殺の指名者
1 魔法名-「大いなる獣」

エクストラデッキ
1 召喚獣プルガトリオ
1 召喚獣コキュートス
2 召喚獣ライディーン
1 召喚獣メガラニカ
1 召喚獣メルカバー
1 召喚獣アウゴエイデス
1 召喚獣エリュシオン
2 暴走召喚師アレイスター
1 ミレニアム・アイズ・サクリファイス
1 リンクリボー
1 水晶機巧-ハリファイバー
1 トロイメア・フェニックス
1 TG-ワンダー・マジシャン


まとめ

遊戯王の長い歴史の中には、それ単体でデッキを組む組むいわば「純構築」よりも何か他のカテゴリと組み合わせて組む「混ぜ物」を得意とするカテゴリが多々あります。第9期に登場した「メタルフォーゼ」「召喚獣」などが代表的で、この「ネメシス」もまたそのような傾向にあるでしょう。

エクストラデッキを使わず、必須と言えるサポートカードもほとんどないことからデッキ構築の際はかなりフットワークよく他のカテゴリに溶け込めます。エースモンスターである「アークネメシス」モンスターも混ぜ物相手によっては非常に出しやすい汎用モンスターとなり、特定の種族・属性に頼っているデッキを悉く縛り付けてくれるでしょう。

汎用である《水晶機巧-ハリファイバー》や《灰流うらら》、そして《抹殺の指名者》は先日発売された「RARITY COLLECTION -PREMIUM GOLD EDITION-」で採録されたこともあって手に入りやすくなっています。「ETERNITY CODE」も買われた方が多いとは思いますが、これを機会に組んでみてはいかがでしょうか。また、今回は「召喚獣」との混ぜ物レシピを紹介していますが、他のカテゴリとの混ぜ物にも挑戦してみてください。


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実際コリドーは強いですね。手札効果で特殊召喚から単体で超雷龍出せますし。
次のエルドリッチ卿とあわせたいと思う所ですね。

「エルドリクシル」カードでカバーできない除外をネメシスでカバーできるのが強いです。
コリドーで超雷龍になるのも強いですし、混ぜ込むだけでデッキのレベルを底上げできますね!

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