【小話】《月の書》がなぜ強いのか

デッキ構築&プレイングサポート

はじめに

遊戯王を最近始めて、ちょっと慣れてきた方は《月の書》というカードについて聞いたことがあると思います。OCGでもマスターデュエルでも、レアリティが低くて手に入りやすい、それでいてしっかり強い汎用カードとして地位を得ているとても良いカードです。

《月の書》

【 速攻魔法 】

①:フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。

長年ゲームに触れてきた方は口を揃えて「《月の書》は強い」と言います。少なくとも、それが弱い、あまり使えない、と言うような方は私は会ったことがありません。

しかし、遊戯王を始めたばかりの方には、その意味があんまりピンときていない人もいるかもしれません。今回はそういった方に向けて、遊戯王における「裏側守備表示」がどういう状態なのか、そしてそれができる《月の書》がどう強いのかについて簡単に解説しようと思います。


「裏側守備表示」とは?

自分メインフェイズに一度、モンスターを場に出す時に「召喚」するか「セット」するかを選ぶことができます。大抵の場合は表側攻撃表示で召喚しますが、場合によっては裏側守備表示でセットすることもあるかと思います。

遊戯王におけるモンスターの状態は
・表側攻撃表示
・表側守備表示
・裏側守備表示
この3つがあります。少し前は「裏側攻撃表示」もあるにはありましたが……今はできません。

「裏側守備表示」になっているモンスターは、表側のモンスターと比べて様々なことが制限されていますが、その中でも特徴的なのが「シンクロ・エクシーズ・リンク召喚の素材に使えない」ことです。
逆に何故「融合召喚」「儀式召喚」の素材に使えるかは――実は、管理人もよく分かっていません。カードの効果による特殊召喚である点がもしかしたら、と推測していますが……あんまり関係ない話なので省略します。”そういうもの”だと思った方がいいですね。

そして、その次あたりに特徴的なのが「カードの情報が全て”非公開情報”になる」ことです。

《FNo.0 未来龍皇ホープ》

【 エクシーズモンスター 】
光 / 戦士族 / 攻3000 / 守2000

「No.」モンスター以外の同じランクのXモンスター×3
ルール上、このカードのランクは1として扱い、このカード名は「未来皇ホープ」カードとしても扱う。このカードは自分フィールドの「FNo.0 未来皇ホープ」の上に重ねてX召喚する事もできる。
①:このカードは戦闘・効果では破壊されない。
②:1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その発動を無効にする。この効果でフィールドのモンスターの効果の発動を無効にした場合、さらにそのコントロールを得る。

たとえばこの《FNo.0 未来龍皇ホープ》ですが……

フィールドにいるときは「未来皇ホープ」として扱う効果外テキスト
①戦闘・効果で破壊されない効果
②相手のモンスター効果を無効にする効果

効果外テキスト(ルールとして扱う文面)を含め、3つの特徴を持っています。
表側表示では大変強力なこのカードですが、ひとたび《月の書》で裏側守備表示になってしまうと、①②の効果はいずれも「なかったこと」になります。②の効果でモンスター効果を無効にできないことは勿論、①の効果で得られていた戦闘・効果破壊耐性もなくなるため、《サンダー・ボルト》等で破壊することができてしまいます。

……ただ、「未来皇ホープ」カードとして扱う効果外テキストは、モンスターが裏側表示でも維持されます。未来龍皇の場合はあんまり気になりませんが、これが「融合素材にできない」等の内容になってくると無視できなくなるため、頭の隅に置いといてください。


ここが強いぞ《月の書》

以上の特性を踏まえて、実践における《月の書》の使い方に触れていきます。

①相手の制圧モンスターを無力化する

先程の《FNo.0 未来龍皇ホープ》のように、相手の行動を制限することを目的とした「置物」を《月の書》で裏側守備表示にしてしまうことで、その強力な効果を使わせないようにすることができます。

有名処のモンスターを例に挙げると、2022年2月現在マスターデュエルで現役の《十二獣ドランシア》、エクシーズテーマの用心棒《天霆號アーゼウス》、強力なシンクロモンスターである《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》といったカードは、魔法カードである《月の書》に対して抵抗する手段を持っていないため、カード1枚で完全に無力化できてしまいます。


②効果耐性を無効にして破壊する

遊戯王をしているたまに相手する「戦闘・効果で破壊できないモンスター」は相手するのに非常に非常にひじょ~~~~に厄介な存在ですが、《月の書》で裏側守備表示にすることでそれをなかったことにできます。

裏側表示になったモンスターを攻撃しようとすると再び表になり、戦闘・効果で破壊されない効果が復活してしまいますが、効果破壊なら話は別です。《サンダー・ボルト》《死者への手向け》等で簡単に処理できてしまいます。


③相手のカード効果をすり抜ける

《黄金郷のコンキスタドール》

【 永続罠 】

このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:このカードは発動後、通常モンスター(アンデット族・光・星5・攻500/守1800)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。このカードは罠カードとしても扱う。自分フィールドに「黄金卿エルドリッチ」が存在する場合、さらにフィールドの表側表示のカード1枚を選んで破壊できる。
②:自分・相手のエンドフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「エルドリクシル」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

相手が使う《黄金郷のコンキスタドール》《ライトニング・ストーム》といったカードを破壊する効果にチェーンする形で《月の書》を発動して、自分のモンスター1体の破壊を免れることができます。これはよく見るテクニックなので《月の書》をデッキに入れる際は覚えておきたいテクニックです。

他にも、面倒くさいことこの上ない《スキルドレイン》をすり抜けるのにも使えます。

《スキルドレイン》

【 永続罠 】

1000LPを払ってこのカードを発動できる。
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。

既に《スキルドレイン》が発動されている状況でも、フィールドのモンスターの効果を発動すること自体はできます。そのままでは無効にされてしまいますが、ここでチェーンして《月の書》を使い、効果を発動したモンスターを裏側守備表示にすることで、《スキルドレイン》が効果無効にする範囲から外れることができます。

あまり使う場面は多くはありませんが、チェーンを組んで自分のモンスターも裏側守備表示にできる《皆既月蝕の書》《サブテラーの決戦》等のカードを使う方は、こういったこともできることを念頭に置いておけば、いざという時の対応力がグッと上がります。


④相手の展開を妨害する

裏側守備表示になったモンスターは、先述の通りシンクロ・エクシーズ・リンク召喚の素材にできません。最近はリンク召喚でどのようなモンスターも活用できるようになってきてはいますが、裏側守備表示となれば話は別です。

それに、リンクモンスターには「リンクマーカー」という決して無視できないものが一つあります。

《海晶乙女コーラルアネモネ》

【 リンクモンスター 】
星 2 / 水 / サイバース族 / 攻2000 /

水属性モンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
②:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、「海晶乙女コーラルアネモネ」以外の自分の墓地の「マリンセス」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。

【LINK-2:左/下】

水属性デッキでよく見るコーラルアネモネは強力な蘇生効果を持っていますが、モンスターはリンク先にしか特殊召喚できません。そこで、片側のEXモンスターゾーンに自分のモンスターがいる状態で、相手がもう片方のEXモンスターゾーンの下に不用意にモンスターを出したところへ《月の書》を発動すると、相手はシンクロ・リンク・エクシーズ召喚の素材を1枚失っただけでなく、コーラルアネモネの効果の発動も封じられたことになります。

また、連続でリンク召喚をして相互リンクを作っていくタイプのデッキでも、裏側守備表示にしてモンスターゾーンを塞ぐ、という戦術は有効手となります。相手のデッキタイプを即座に見抜いて一番嫌がるところを止める、という高いプレイングスキルが要求されますが、一番《月の書》が輝く場面とも言えるでしょう。


まとめ:誰でも使えるカード=経験の差が出るカード

低レアリティかつ強力なカードである《月の書》は、使おうと思えば初心者から上級者まで幅広いデュエリストが使えます。もちろん、《月の書》は誰が使っても「フィールドのモンスター1体を裏側守備表示にする」効果ですが、それをいつどこのタイミングでどのモンスターに使うかで、デュエリストとしての経験が浮き出るカードとも言えます(それは《灰流うらら》なども同じです)。

もしかしたら、この記事を読んでいる人も「始めたばかりで何も分からないけど、みんな《月の書》が強いって言うから入れている」という人がいるかもしれません。そういった方は、例え途中で《月の書》がデッキから抜けたとしても、しばらく遊戯王を遊んで経験が付いてきたあたりで再びデッキに入れて使ってみてください。きっと、自分の成長を実感できることと思います!

そういえば、海外版のBattle of Chaosで、同じようなことができる《Sol or Luna》というカードがいるみたいですね。我々が使えるのはもう少し先になりますが、今からでも来日が楽しみですね!
記事はここで締めさせていただきます。また別で会いましょう。ではでは!


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