参考にさせていただきました
ありがとうございます!!
※紹介するデッキの強さは「マスターデュエルのソロモードでいい勝負ができるレベル」です。
他の低レアデッキはこちらから見られます。
目次
はじめに:デッキバウンス最強!
かつて【爆風ライザー】というデッキがありました。
罠カードである《鳳翼の爆風》と、レベル6・風属性・鳥獣族の《風帝ライザー》を組み合わせたデッキで、フィールドのカードを相手のデッキトップに戻し続け、ドローロックを仕掛けながらビートダウンしていく、という戦法をとります。
《鳳翼の爆風》R
【 通常罠 】
①:手札を1枚捨て、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。その相手のカードを持ち主のデッキの一番上に戻す。
《風帝ライザー》
【 効果モンスター 】
星 6 / 風 / 鳥獣族 / 攻2400 / 守1000
①:このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを持ち主のデッキの一番上に戻す。
墓地で効果を持つカードが増えたこともあって相対的に「デッキバウンス」自体の破壊力が増してきていますが、その中でも「”デッキトップ”バウンス」は未だ最強の地位に留まり続けています。かの有名な禁止カードである《八咫烏》よろしく、ずっと同じカードを引かせ続けることで相手に一切の抵抗を許さない、というのは数ある戦術の中でも最上位のものになり得るでしょう。
そんな【爆風ライザー】を、現代のマスターデュエルの低レア構築で再現……いや、現代のカードプールで使えそうなモノを組み込んで、より進化した形にしてみましょう!
うん? ちょっと待って……
お、おまえ……レアリティが「SR」じゃねぇか……!
デッキコンセプト紹介
【LLシムルグライザー】は、強力なデッキトップバウンス効果を持つ《鳳翼の爆風》と「ライザー」を使って、相手フィールドのカードを戻しながらビートダウンしていくデッキです……
しかし、肝心の《風帝ライザー》がSRのため、NR構築にしようとするとどうしても採用できません。(ストラクチャーデッキ「帝王の出現」で2枚配布されているため、ソロモードを攻略することで誰でもデッキに入れることはできますが、今回は使わないことにします)
それじゃあどうすればいいんだ……
【爆風ライザー】からライザーを取ったらただの【爆風】になっちゃうじゃないか……
……あるんだな、実は。
《烈風帝ライザー》R
【 効果モンスター 】
星 8 / 風 / 鳥獣族 / 攻2800 / 守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
①:このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚と自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動する。そのカードを好きな順番で持ち主のデッキの一番上に戻す。このカードが風属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●フィールドのカード1枚を対象として持ち主の手札に戻す事ができる。
レベル8の《烈風帝ライザー》は《風帝ライザー》を更に強化したような性能で、アドバンス召喚成功時に「フィールドのカード1枚+相手の墓地のカード1枚」をデッキトップに戻せます。しかも、風属性モンスターをリリースすることで、ついでにフィールドのカード1枚を手札に戻すこともできてしまうんですね。
性能だけ見ればこちらの方がずっと強力ですが、おそらく、レベル8と重く《風帝ライザー》より使い勝手で劣る点、追加効果の発動も難しいことがあってレアリティが「R」なのでしょうか……理由はともかくとして、この《烈風帝ライザー》がRなら使っていくしかないでしょう! これで役者が揃いました!
「バウンス」効果を持つカード
「デッキトップバウンス」とまではいかなくとも、相手の盤面を安全に除去するカードは探すと結構見つかります。その中でも今回は《烈風帝ライザー》と一緒のデッキに入れることを考えて、《鳳翼の爆風》の他に以下のカードも採用しています。
《始祖神鳥シムルグ》R
【 効果モンスター 】
星 8 / 風 / 鳥獣族 / 攻2900 / 守2000
このカードは手札にある場合通常モンスターとして扱う。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、風属性モンスターの生け贄召喚に必要な生け贄は1体少なくなる。
風属性モンスターのみを生け贄にしてこのカードの生け贄召喚に成功した場合、相手フィールド上のカードを2枚まで持ち主の手札に戻す。
《風霊術-「雅」》R
【 通常罠 】
①:自分フィールドの風属性モンスター1体をリリースし、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。その相手のカードを持ち主のデッキの一番下に戻す。
相手がある程度リソースを割いて場に出したモンスター・カードを戻すことで、再度同じようなリソース消費を強いることができます。また《風霊術-「雅」》はデッキに戻す効果であるため、発動時の効果を持つフィールド・永続魔法や、強力な召喚時効果を持つモンスターの再利用も許しません。「デッキトップ」バウンスだけでは対応しきれない部分を補えます。
また、相手の墓地のモンスターをデッキに戻すことができる《死翼のフレスヴェイス》を用いることで、戦闘破壊したモンスターを擬似的にデッキに戻し、墓地効果を使わせないようにしたり、後から蘇生したりすることを防ぐこともできます。
《死翼のフレスヴェイス》R
【 リンクモンスター 】
星 3 / 風 / 鳥獣族 / 攻2400 /
風属性モンスター2体以上
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードの攻撃力は2400アップする。
②:相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
【LINK-3:上/左下/右下】
この効果で墓地のカードをデッキへ戻した場合、デッキのシャッフルが発生します。相手ターンのうちに戻したり、自分のターンでデッキトップバウンスを使う前に戻したりしたいですね。
「アドバンス召喚」サポートカード
バウンス効果を持つ《烈風帝ライザー》《始祖神鳥シムルグ》ですが、手札に用意できたとしても、アドバンス召喚できないことには何も始まりません。というわけで、それらのアドバンス召喚をサポートできるカードもデッキに採用します。
問題となるのは「召喚権の不足」と「リリースするためのモンスター」です。これらを、ライザーと同じ「風属性・鳥獣族」モンスターを抱える「シムルグ」「LL」カードで解決します。
《神鳥の霊峰エルブルズ》R
【 フィールド魔法 】
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドの鳥獣族・風属性モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
②:手札のレベル5以上の鳥獣族・風属性モンスターを相手に見せて発動できる。このターン、自分は鳥獣族モンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくできる。
③:自分フィールドに鳥獣族・風属性モンスターが存在する場合に発動できる。鳥獣族モンスター1体を召喚する。
《LL-ベリル・カナリー》R
【 効果モンスター 】
星 1 / 風 / 鳥獣族 / 攻0 / 守200
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札に存在する場合、自分の墓地の「LL」モンスター1体を対象として発動できる。このカードと対象のモンスターを特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:フィールドのこのカードを素材としてX召喚した風属性モンスターは以下の効果を得る。
●このカードの攻撃力は200アップし、コントロールを変更できない。
《神鳥の霊峰エルブルズ》は、手札の「風属性・鳥獣族」モンスターのアドバンス召喚に必要なリリースの数を軽減しながら、条件付きで追加の召喚を行う効果を持っています。また、フィールドの「風属性・鳥獣族」モンスターの攻守を300上昇させる効果もあるため、攻撃力2800の《烈風帝ライザー》が3000打点を超えられるようにもなります。
手札・墓地から「LL」モンスターを展開する《LL-ベリル・カナリー》は、最上級モンスターのアドバンス召喚に必要なモンスター2体を簡単に揃えることができます。また、この時に《LL-コバルト・スワロー》を特殊召喚できればあちらの効果で2枚目の《LL-ベリル・カナリー》を手札に加えることができ、手札消費0枚でアドバンス召喚のコストを場に揃えられます。
その他採用カード
場と手札のリソースを維持するため、デッキの回転率を上げるため、以下のカードも採用します。
《九蛇孔雀》
《九蛇孔雀》R
【 効果モンスター 】
星 3 / 風 / 鳥獣族 / 攻1200 / 守900
フィールド上のこのカードがリリースされ墓地へ送られた場合、自分のデッキ・墓地から「九蛇孔雀」以外のレベル4以下の風属性モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。「九蛇孔雀」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
アドバンス召喚のリリース、罠カード《風霊術ー「雅」》でのリリース、魔法カード《スワローズ・ネスト》でのリリース全てに反応します。このカードから《LL-ベリル・カナリー》を手札に加えたり、最上級モンスターを手札に戻して特殊召喚できる《風帝家臣ガルーム》を手札に加えたりできます。
《翼の恩返し》
《翼の恩返し》R
【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドのモンスターが、鳥獣族モンスターのみで、元々のカード名が異なるモンスター2体以上の場合、600LPを払って発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
「LL」カードを採用していることから、非常に簡単に条件を満たして2枚ドローできます。このデッキは手札の枚数と質が戦略に直結するため、発動できる状況なら即座に発動して、取れる選択肢を増やしたいですね。
《憑依覚醒-ラセンリュウ》
《憑依覚醒-ラセンリュウ》R
【 効果モンスター 】
星 5 / 風 / ドラゴン族 / 攻2000 / 守200
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは自分フィールドの表側表示の、魔法使い族モンスター1体とレベル4以下の風属性モンスター1体を墓地へ送り、手札・デッキから特殊召喚できる。
②:このカードの①の方法で特殊召喚に成功した時に発動できる。相手フィールドのカード1枚を選んで持ち主の手札に戻す。
③:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「風霊術」カードまたは「憑依」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
今回のデッキレシピだとメインデッキに魔法使い族モンスターは採用していませんが、EXデッキに《副話術士クララ&ルーシカ》を採用しています。そのため、通常召喚したモンスターをメインフェイズ2にあちらへ変換し、そのまま自分フィールドのレベル4以下の風属性モンスターと一緒に墓地へ送ることでこのカードを手札・デッキから特殊召喚できるわけです。
②の効果による手札バウンスも強烈ですが、このデッキでは③の効果で《風霊術-「雅」》を手札に加えられるのも嬉しいところ。ただ、このカードを特殊召喚した後に風霊術まで一気に繋げると盤面の消費が荒くなるので、リソースが貯まってからの詰めの一手として使うのが良いかもしれません。
デッキレシピ紹介
メインデッキ
LL-コバルト・スワロー 3
LL-サファイア・スワロー 3
LL-ターコイズ・ワーブラー 3
LL-ベリル・カナリー 3
九蛇孔雀 3
風帝家臣ガルーム 1
旋風機ストリボーグ 1
憑依覚醒-ラセンリュウ 1
神禽王アレクトール 1
始祖神鳥シムルグ 1
The アトモスフィア 1
烈風帝ライザー 3
翼の恩返し 3
神鳥の霊峰エルブルズ 3
カードトレーダー 1
アドバンス・ゾーン 1
スワローズ・ネスト 3
鳳翼の爆風 3
風霊術-「雅」 2
EXデッキ
シャイニート・マジシャン 1
No.54 反骨の闘士ライオンハート 1
No.13 ケインズ・デビル 1
No.31 アベルズ・デビル 1
キキナガシ風鳥 1
グレンザウルス 1
No.49 秘鳥フォーチュンチュン 1
熱血指導王ジャイアントレーナー 1
魔海城アイガイオン 1
副話術士クララ&ルーシカ 1
グラビティ・コントローラー 1
小法師ヒダルマー 1
転晶のコーディネラル 1
死翼のフレスヴェイス 1
粛星の鋼機 1
あると嬉しいカード(高レアリティ)
ソロモード報酬のストラクで手に入れられる《風帝ライザー》は除外しています。
もしSRカードも使ってよいのであれば、是非とも入れてあげてください。
《招神鳥シムルグ》
《招神鳥シムルグ》SR
【 効果モンスター 】
星 2 / 風 / 鳥獣族 / 攻1000 / 守1000
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「招神鳥シムルグ」以外の「シムルグ」カード1枚を手札に加える。
②:このカードが墓地に存在し、相手の魔法&罠ゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は鳥獣族モンスターしか特殊召喚できない。
《招神鳥シムルグ》を召喚してデッキから《神鳥の霊峰エルブルズ》を手札に加えた時、手札に《烈風帝ライザー》《始祖神鳥シムルグ》があれば、アドバンス召喚まで一直線に流れが繋がります。相手の盤面次第では一度だけ自己蘇生もできるため、デッキの安定性と盤面リソースの維持、どちらの仕事もすることができます。
《LL-バード・コール》 / 《LL-プロム・スラッシュ》
《LL-バード・コール》SR
【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:デッキから「LL」モンスター1体を選び、手札に加えるか墓地へ送る。その後、そのモンスターとはカード名が異なる「LL」モンスター1体を手札から特殊召喚できる。
《LL-プロム・スラッシュ》SR
【 エクシーズモンスター 】
星 1 / 風 / 鳥獣族 / 攻0 / 守0
レベル1モンスター×2体以上
①:このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×500アップする。
②:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。
③:このカード以外の自分のモンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時に、このカードのX素材を任意の数だけ取り除いて発動できる。その自分のモンスターの攻撃力はターン終了時まで、取り除いた数×300アップする。
このデッキだと展開要員・リリース要員として仕事することになる「LL」ですが、プロム・スラッシュをデッキに入れることで、相手の魔法・罠カードをデッキバウンスできるようになります。単純に1ターンでバウンスできる枚数が増えるため、相手の作った盤面を根こそぎリセットしながら消耗戦に持ち込むことができるでしょう。
《風霊媒師ウィン》
《風霊媒師ウィン》UR
【 効果モンスター 】
星 5 / 風 / 魔法使い族 / 攻1850 / 守1500
このカード名はルール上「霊使い」カードとしても扱う。
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札からこのカードと風属性モンスター1体を捨てて発動できる。デッキから「風霊媒師ウィン」以外の守備力1500以下の風属性モンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性以外のモンスターの効果を発動できない。
②:このカードが手札に存在する場合、自分の風属性モンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。このカードを特殊召喚する。
あまりアクセスの良くない《烈風帝ライザー》《The アトモスフィア》《九蛇孔雀》といったカードを狙って手札へ引き込めるようになります。その分手札消費も多くなりますが、後から《LL-ベリル・カナリー》で蘇生させたり、《翼の恩返し》でドロー加速したりして、失った分以上のアドバンテージを取り戻したいところです。
魔法使い族モンスターのため、②の効果で特殊召喚したカードが残っていれば《憑依覚醒-ラセンリュウ》を特殊召喚することもできます。あとかわいい。
まとめ:昔のデッキを再生させる楽しみ方
遊戯王の世界には、有志が作り上げた「遊戯王カードWiki」という大変便利なサイトがあります。カードの使い方は勿論、ページによってはそのカードが辿ってきた歴史、デッキの変遷などを知ることができる素晴らしいサイトです。きっと、この記事をご覧になった人でも日頃からお世話になっている人は多いかと思います。
長い歴史の中で生まれた様々なデッキですが、その中でも特徴的な動きをしたもの、歴史に名を残したものがWiki内に個別のページで残されていることがあります。あまりに膨大なカードプールが故に、現在では更新が止まっているページも多いですが……今でもそういったページを見ると、昔から多くの人たちが頭を捻ってうまい使い方を考え続けていたのだと実感できます。
今回は、「シムルグ」カードと《烈風帝ライザー》で作っていたレシピ(結構難航した)を、【爆風ライザー】という先人の知恵と融合させてデッキを完成させることができました。自分でデッキを作ってみる際は、是非ともそういった過去のデッキにも触れてみてください!
記事はここで終わりです。以上、しろがねがお送りしました!