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はじめに:今回はシンクロフェス用のデッキレシピです
後からこの記事を見た人に向けて説明すると、このデッキはマスターデュエルにおける、EXデッキにシンクロモンスターのみが採用できる「シンクロフェスティバル」に向けて作られたレシピとなっています。そのため、リンクモンスターや一部の強力な汎用カードを採用できないレギュレーション下で組んだものですが、テーマとしての動きを紹介するために記事にしました。
前置きはそこそこに……
今回紹介する【クリストロン(水晶機巧)】は、相手ターン中にシンクロ召喚を行う「アクセルシンクロ」に尖ったデッキで、カードデザインにもそういった思想が表れています。現在では《シューティング・ライザー・ドラゴン》といったカードがあるため、相手ターン中のシンクロ召喚はそこまで珍しいものでもありませんが、初めてクリストロンを見た時はびっくりしたものです。
モンスターのステータスは「水属性・機械族」。主に機械族関連のサポートカードを入れて組まれることの多いクリストロンですが、今回は「水属性」の部分に着目してデッキを作ってみました。他の方が紹介しているレシピと合わせて、こういった構築もあるのだ、という気持ちで見て行ってください!
デッキコンセプト紹介
【クリストロン】は、「水属性・機械族」のモンスターを使ったビートダウンテーマで、相手ターン中のシンクロ召喚によるコントロール要素も含んでいます。今回紹介するデッキレシピでは、罠カードを多めに採用して、全体的にコントロール寄りに調整してみました。
相手ターン中にシンクロ召喚する
さて、まず最初に紹介するのは、クリストロンをクリストロンたらしめる「相手ターン中のシンクロ召喚」を行うモンスターたちです。メインデッキ3種、エクストラデッキ1種をそれぞれ紹介しますが……その中でも大事なのは、レベル2・チューナーの《水晶機巧-シトリィ》と、レベル4・チューナーの《水晶機巧-クオンダム》の2枚です。
《水晶機巧-クオン》
【 チューナーモンスター 】
星 1 / 水 / 機械族 / 攻500 / 守500
「水晶機巧-クオン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに発動できる。手札からチューナー以外のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族Sモンスター1体をS召喚する。
《水晶機巧-シトリィ》
【 チューナーモンスター 】
星 2 / 水 / 機械族 / 攻500 / 守500
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、チューナー以外の自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族Sモンスター1体をS召喚する。その時のS素材モンスターは墓地へは行かず除外される。
《水晶機巧-リオン》
【 チューナーモンスター 】
星 3 / 水 / 機械族 / 攻500 / 守500
「水晶機巧-リオン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、チューナー以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族Sモンスター1体をS召喚する。その時のS素材モンスターは墓地へは行かず持ち主のデッキに戻る。
《水晶機巧-クオンダム》
【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 4 / 水 / 機械族 / 攻1800 / 守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。
②:S召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、Sモンスター以外の自分の墓地の「クリストロン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
メインデッキ組のクオン、シトリィ、リオンの効果は「自身を含むモンスター2体」のシンクロ召喚にしか対応していないため、他に盤面にモンスターがいたとしても《水晶機巧-グリオンガンド》のような3体素材のシンクロ召喚は行えません。また、シンクロ召喚先も「機械族モンスター」に制限されているため、このデッキのように「水属性」に振った構築をしていると、彼らを棒立ちさせるではやや不安は残ります。
また、のちに紹介するレベル9シンクロである、《水晶機巧-フェニキシオン》は「シンクロチューナー+シンクロモンスター」、《水晶機巧-グリオンガンド》は「チューナー2体+非チューナー」をシンクロ素材に要求しているため、メインデッキ組のチューナーから直接出すことはできません。
そのため、これらを使って《水晶機巧-クオンダム》を場に出し、シンクロ召喚先の制約をなくす必要があります。クオンダムの効果で行うシンクロ召喚は素材数・召喚先の縛りがないため、《白闘気白鯨》《月華竜 ブラック・ローズ》のような強力なシンクロ召喚時効果を持つモンスターを呼び出せるでしょう。
クオンダムを出すことを想定した場合、最も使いやすいのがレベル2の《水晶機巧-シトリィ》になるわけです。同じクリストロンで「レベル2・非チューナー」の《水晶機巧-プラシレータ》、手札誘発として優れた《増殖するG》の存在が大きく、要求するリソースも少なくて済みます。
「クリストロン」を展開するためのカード
さて、盤面に《水晶機巧-シトリィ》をはじめとしたモンスターを並べる場合、どのようなカードを使っていくかを見ていきましょう。
同じ「クリストロン」カテゴリのカードでは《水晶機巧-サルファフナー》と《クリストロン・インパクト》が役立ちます。後者の《クリストロン・インパクト》は《水晶機巧-スモーガー》の墓地効果で手札に加えられるため、用意したい場面で引き込みやすいカードでもあります。
《水晶機巧-サルファフナー》
【 効果モンスター 】
星 5 / 水 / 機械族 / 攻2000 / 守1500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札・墓地に存在する場合、手札から「水晶機巧-サルファフナー」以外の「クリストロン」カード1枚を捨てて発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。その後、自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「クリストロン」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
《水晶機巧-サルファフナー》は、召喚権を使わずに「クリストロン」を展開できる優れたモンスターです。①の効果で自身を特殊召喚した後に自身を破壊し、②の効果によるデッキから「クリストロン」の特殊召喚に繋げられます。
①の効果は墓地からでも発動できるため《スクラップ・リサイクラー》と《おろかな埋葬》、《氷結界》の墓地効果でアクセスすることができ、これらのカードが初動札になり得ます。一度発動できれば、《墓穴の使命者》などで除外でもされない限り、デュエル終盤までメインエンジンとして機能してくれるでしょう。
《スクラップ・リサイクラー》と「クリストロン」カード、手札2枚からの展開例
①:手札から《スクラップ・リサイクラー》を召喚し、効果発動。デッキから《水晶機巧-サルファフナー》を墓地へ送る。
②:墓地のサルファフナーの効果発動。手札の「クリストロン」カード1枚を墓地へ送り、自身を特殊召喚。その後、サルファフナー自身を破壊。
③:破壊されたサルファフナーの効果で、デッキからスモーガー(レベル3)、シストバーン(レベル3)、ローズニクス(レベル4)のどれか1体を特殊召喚。段階②で手札から捨てたものとは違うものが好ましい。
④:特殊召喚した「クリストロン」モンスターの効果発動。《スクラップ・リサイクラー》を破壊して、デッキから《水晶機巧-シトリィ》を特殊召喚。
盤面に《水晶機巧-シトリィ》と「クリストロン」モンスター
墓地に《水晶機巧-サルファフナー》と「クリストロン」カード
ここで手札に《増殖するG》があれば《水晶機巧-クオンダム》を無駄なく出せる
《クリストロン・インパクト》
【 通常罠 】
①:除外されている自分の「クリストロン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、相手フィールドに表側表示モンスターが存在する場合、その相手モンスターの守備力は0になる。
②:自分フィールドの「クリストロン」モンスターを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、墓地のこのカードを除外して発動できる。その効果を無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
《クリストロン・インパクト》は、除外された「クリストロン」を特殊召喚することで、再度墓地へ送り直したり、相手ターン中のシンクロ召喚を行う準備を整えられます。特に、一度効果を使うと除外されてしまう《水晶機巧-シトリィ》とは好相性。相手モンスターの守備力が0になることから、《水晶機巧-アメトリクス》をシンクロ召喚できれば、返しのターンで一気に盛り返すこともできます。
罠カードであるが故に遅いカードですが、《水晶機巧-スモーガー》の墓地効果で、デッキから手札に加えられます。また、②の墓地効果でフィールドの「クリストロン」を守ることができるため、《水晶機巧-サルファフナー》の効果のコストとして墓地へ送るカードとしても優れているでしょう。
フィールドに《水晶機巧-シトリィ》と《クリストロン・インパクト》があれば、ある程度安心してターンを渡せます。また、今回紹介するデッキレシピでは、ここに追加で《氷結界》《戦線復帰》《無限泡影》を入れました。相手の攻撃・効果を止めながら、モンスターを追加で場に用意し、高レベルのシンクロモンスターにも繋げやすくなっている、はず………
シンクロ召喚したいモンスター
さて、盤面の準備が整い、あとはアクセルシンクロをする時を待つのみとなりました。相手はこちらのライフを削るべく様々な方法で展開をしてきます。では、ここで何をシンクロ召喚したら良いでしょうか。シンクロ召喚時に強力な効果を発動するカードたちを紹介していきます。
ただ、一つ注意点として、罠カード《氷結界》の墓地効果を使った後は「次の自分ターン終了時まで」水属性モンスターしか特殊召喚できなくなります。ご注意ください。
《水晶機巧-アメトリクス》:水属性・機械族
《水晶機巧-アメトリクス》
【 シンクロモンスター 】
星 5 / 水 / 機械族 / 攻2500 / 守1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚された表側表示モンスターを全て守備表示にする。
②:S召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、Sモンスター以外の自分の墓地の「クリストロン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
シンクロ召喚時、相手の特殊召喚されたモンスターを全て守備表示にします。「クリストロン」の相手ターン中のシンクロ召喚はバトルフェイズでも行えるため、相手がこちらを攻撃するために揃えた高打点モンスターを無力化できます。《クリストロン・インパクト》と合わせれば相手モンスターの守備力を0にでき、返しのターンで下級モンスターでも迎撃ができるようになります。
《甲化鎧骨格》:機械族
《甲化鎧骨格》
【 シンクロモンスター 】
星 6 / 光 / 機械族 / 攻2500 / 守1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動する。このターン、このカードは戦闘・効果では破壊されず、自分が受ける全てのダメージは0になる。
出しておけばそのターンとりあえず負けることはない、という安心感に満ちたカードです。レベル6のため「シトリィ+ローズニクス」「リオン+スモーガーorシストバーン」の組み合わせで出すことになるでしょう。レベル6のため、《水晶機巧-クオンダム》と合わせることでレベル10シンクロモンスター《白闘気双頭神龍》にも繋がります。
《月華竜 ブラック・ローズ》
《月華竜 ブラック・ローズ》
【 シンクロモンスター 】
星 7 / 光 / ドラゴン族 / 攻2400 / 守1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが特殊召喚に成功した時、または相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時に発動する。相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。
「月華竜 ブラック・ローズ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
ステータスの条件から、《水晶機巧-クオンダム》の効果で出すシンクロモンスターになります。一度場に出して維持できれば継続的に相手の展開を阻害できるため、デッキの防御力を大幅に向上させられます。
《水晶機巧-フェニキシオン》:水属性・機械族
《水晶機巧-フェニキシオン》
【 シンクロモンスター 】
星 9 / 水 / 機械族 / 攻2800 / 守2000
Sモンスターのチューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。相手のフィールド・墓地の魔法・罠カードを全て除外する。
②:S召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、このカード以外の自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
相手の場と墓地の魔法・罠を全て除外、という凶悪な効果を持っています。性質上、刺さらない相手には本当に刺さりませんが、だとしても攻撃力2800のアタッカーとしても十分活躍が見込めます。あまり動きを見せず魔法・罠カードを沢山伏せた相手に繰り出し、返しのターンと合わせてリソースを削る役目もこなせます。
《水晶機巧-グリオンガンド》:水属性・機械族
《水晶機巧-グリオンガンド》
【 シンクロモンスター 】
星 9 / 水 / 機械族 / 攻3000 / 守3000
チューナー2体以上+チューナー以外のモンスター1体
①:このカードがシンクロ召喚に成功した場合、そのシンクロ素材としたモンスターの数まで相手のフィールド・墓地のモンスターを対象として発動できる。そのモンスターを除外する。
②:S召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、このカード以外の除外されている自分または相手のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
相手の盤面と墓地のモンスターをぶっ壊すクリストロン最強の切り札です。出す条件も一癖ありますが、《クリストロン・インパクト》《戦線復帰》といったカードでサポートして召喚条件を整えてあげたいところです。また、手札の状況によっては《クリストロン・エントリー》でチューナー2体を一気に揃えられるため、盤面によって必要な「クリストロン」罠カードを《水晶機巧-スモーガー》で用意したいですね。
デッキレシピ紹介
※「シンクロフェスティバル」で使ったデッキレシピです。
メインデッキ
水晶機巧-クオン 1
増殖するG 3
水晶機巧-シトリィ 2
水晶機巧-プラシレータ 1
スクラップ・リサイクラー 3
水晶機巧-スモーガー 2
水晶機巧-シストバーン 2
水晶機巧-リオン 1
水晶機巧-ローズニクス 2
水晶機巧-サルファフナー 2
海亀怪獣ガメシエル 2
死者蘇生 1
おろかな埋葬 1
ライトニング・ストーム 3
墓穴の使命者 2
氷結界 3
クリストロン・エントリー 1
クリストロン・インパクト 3
戦線復帰 2
無限泡影 3
EXデッキ
水晶機巧-クオンダム 2
水晶機巧-アメトリクス 2
甲化鎧骨格 1
瑚之龍 1
白闘気海豚 1
月華竜 ブラック・ローズ 1
白闘気白鯨 1
魔救の奇跡-ドラガイト 1
氷結界の龍 トリシューラ 1
水晶機巧-フェニキシオン 1
水晶機巧-グリオンガンド 1
白闘気双頭神龍 1
氷結界の還零龍 トリシューラ 1
おわりに:行くぜクリアマインド
今回はシンクロフェスティバルで戦っていたため、現在最強のクリストロンである《水晶機巧-ハリファイバー》にはしばらく眠っていてもらうこととなりました。ハリファイバーが使えれば《水晶機巧-シトリィ》を用意しながら、迎えた相手ターンに《水晶機巧-クオンダム》を出してそのままシンクロ召喚に繋げることができ、《水晶機巧-グリオンガンド》もぐっと出しやすくなります。
にしても、改めて思ったのは、シンクロ召喚は使っていて楽しいと言うことです。特に今回使った【クリストロン】は、小型モンスターが徐々にレベルの大きなモンスターへ進化していく過程をそのままなぞって行けるため、フェニキシオンやグリオンガンドが正当なエースモンスターとしてかっこよく映えるんですよね……
しばらく新規カードの来ていないクリストロンですが、現状でも面白い動きはできるんだなと実感できた次第です。以上、ここまでの記事はしろがねがお送りしました!