期待の水属性《水界の秘石-カトリン》考察 クリストロンと好相性!?!?

デッキ構築&プレイングサポート

はじめに:劇的に変わるわけではないが……

2022年4月23日発売の「POWER OF THE ELEMENTS」に収録されたカードが発表され、その中でも、水属性・岩石族という珍しいステータスの《水界の秘石-カトリン》というカードが注目されています。「岩石族」という部分からアダマシアとの関連が囁かれておりますが、まずは効果を見てみましょう。

《水界の秘石-カトリン》

【 効果モンスター 】
星 2 / 水 / 岩石族 / 攻500 / 守1600

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードを手札から捨てて発動できる。このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分のメインフェイズに地・水属性モンスター1体を召喚できる。
②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドに地属性モンスターおよび水属性モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

簡単に言うと「地・水属性モンスターの召喚権を増やす」効果を持ったモンスターです。このカード自体を展開に絡めるのは若干難しくなりますが、地・水属性デッキの中で召喚権を使うタイプのデッキでは、召喚権を増やせるのは嬉しいところです。

ただ、普通に召喚権を増やすなら《二重召喚》で事足りますし、そもそも《二重召喚》を入れざるを得ないデッキは別の部分で問題を抱えている場合もあります。そのため、召喚時効果を多用するタイプのデッキでもカトリンは簡単に採用できません。今回は、新しく登場した《水界の秘石-カトリン》の使い方を、水属性デッキの観点から考えてみたいと思います。


《水界の秘石-カトリン》が活躍できそうな水属性デッキ

まずは、召喚権を増やすことで恩恵が得られそうな水属性デッキを考えてみましょう。

【リチュア】

《リチュア・チェイン》

【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 海竜族 / 攻1800 / 守1000

このカードが召喚に成功した時、自分のデッキの上からカードを3枚確認する。確認したカードの中に儀式モンスターまたは儀式魔法カードがあった場合、その1枚を相手に見せて手札に加える事ができる。確認したカードは好きな順番でデッキの上に戻す。

召喚時に発動する効果を持ったモンスターは、上記の《リチュア・チェイン》の他に《リチュア・アビス》《リチュア・ビースト》《リチュア・マーカー》と多く、特殊召喚では効果発動できないモンスターも少なくありません。召喚権が増えることで、盤面に水属性モンスター2体を並べて《海晶乙女コーラルアネモネ》をリンク召喚するのもぐっと簡単になります。

また、このデッキでよく用いられる通常魔法《サルベージ》で、効果を使って墓地へ送られた《水界の秘石-カトリン》を手札に回収できるのも見逃せないポイントです。


【雲魔物】

《雲魔物-タービュランス》

【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 天使族 / 攻800 / 守0

このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
このカードが召喚に成功した時、フィールド上に存在する「雲魔物」と名のついたモンスターの数だけこのカードにフォッグカウンターを置く。
このカードに乗っているフォッグカウンターを1つ取り除く事で、デッキまたは墓地から「雲魔物−スモークボール」1体を特殊召喚する。

「雲魔物」モンスターはフォッグカウンターを使って展開・除去を行うデッキですが、肝心のフォッグカウンターを乗せる効果の多くはモンスターの召喚時効果に依存しています。魔法カード《雲魔物の雲核》で大量に乗せることは狙えますが、それでももう少し安定感は欲しいところ……ならば、召喚の回数自体を増やしてみてはどうでしょう?

雲魔物でメインとなるモンスターは「星4・水属性・天使族」で、《水界の秘石-カトリン》は「星2・水属性・岩石族」であるため、《スモール・ワールド》を同時に採用することで《雲魔物-タービュランス》《雲魔物-キロスタス》《雲魔物-アルトス》のうち狙ったカードを手札に引き込みやすくもなります。


【グレイドル】

《グレイドル・スライムJr.》

【 チューナーモンスター 】
星 2 / 水 / 水族 / 攻0 / 守2000

①:このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「グレイドル」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、この効果で特殊召喚したモンスターと同じレベルの水族モンスター1体を手札から特殊召喚できる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
②:このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから「グレイドル」モンスター1体を特殊召喚する。

「グレイドル」で召喚時効果を持つモンスターはこの《グレイドル・スライムJr.》しかいませんが、召喚時の効果にターン1制限がないため《サルベージ》と一緒に使い回せます。また、それ以外にも「グレイドル」を横並びにすることで相手に難しい選択を突きつけることもできるでしょう。相性の良い「壊獣」《妖精伝姫-カグヤ》と共に運用し、余った召喚権をカグヤに割いてもいいですね。

《絶海のマーレ》に召喚権を割いて遅めのサーチを行う、というのもまあ悪くはないですが……手札消費が荒くなるのが課題です。もう一つ何か来たら大化けしそうな気はするんですよね……


【素早い&メルフィー】

《素早いビーバー》

【 効果モンスター 】
星 2 / 水 / 獣族 / 攻400 / 守100

①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。自分のデッキ・墓地からレベル3以下の「素早い」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

《素早いビーバー》を使うのはもちろんですが、《深海のディーヴァ》を併用することで「メルフィー」エクシーズモンスターにそれぞれ1枚からアクセスできるようになります。水属性と地属性が並びやすいデッキのため、カトリンの自己蘇生効果を発動することも難しくありません。また、墓地から蘇生した《水界の秘石-カトリン》自身もレベル2のため「メルフィー」エクシーズモンスターの素材として利用できます。すると除外のデメリットを回避できるんですねえ!

ランク2をたくさん並べて、《キャット・シャーク》で《わくわくメルフィーズ》を4000打点にして直接攻撃、というのも面白そうです。ちょうど「メルフィー」にも《メルフィー・ラッシィ》という水属性新規が来ましたし!


【クリストロン】

《水晶機巧-シトリィ》

【 チューナーモンスター 】
星 2 / 水 / 機械族 / 攻500 / 守500

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、チューナー以外の自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族Sモンスター1体をS召喚する。その時のS素材モンスターは墓地へは行かず除外される。

《水界の秘石-カトリン》を活かす上で、管理人の一番のおすすめはこの【クリストロン】です。
具体的なおすすめポイントを箇条書きすると以下のようになります。

  • 《水晶機巧-サルファフナー》と相性の良い《スクラップ・リサイクラー》が地属性のため、カトリンの自己蘇生条件である「地属性モンスターおよび水属性モンスターが存在する場合」を無理なく満たすことができる。
  • 召喚権を増やすことで、手札にはあるけど盤面に並べにくい「クリストロン」モンスターを場に出し、相手ターン中のシンクロ召喚の素材として用意しておくことができる。カトリン自身を特殊召喚してレベル2のシンクロ要員にもできる。
  • レベル2のため、墓地のカトリンを《水晶機巧-シトリィ》の効果の対象にすることで、シンクロチューナーである《水晶機巧-クオンダム》をシンクロ召喚し、更なる相手ターンのシンクロ召喚が狙える。また、除外されたカトリンを《水晶機巧-リオン》の効果の対象にすることで《水晶機巧-アメトリクス》をシンクロ召喚できる。
  • 《スモール・ワールド》と併用することで、扱いづらくなる2枚目以降の《水晶機巧-サルファフナー》《ジェネクス・ウンディーネ》を、《水界の秘石-カトリン》を経由して《水晶機巧-スモーガー》《水晶機巧-シストバーン》《水晶機巧-ローズニクス》に変換し、間接的に「クリストロン」罠カードのサーチにも繋げられる。
    カトリン→ローズニクスorサルファフナー→《スクラップ・リサイクラー》も可能。

おわりに:「水属性・岩石族」という希有なステータス

記事執筆時、管理人はシンクロフェスで【クリストロン】を回していた後だったので頭がクリストロンになっており、カトリンを見た時に「これクリストロン新規では……?」と思いながら記事を作っていました。ちょっと贔屓しすぎた感はあるけど相性が良いものは仕方がないね。

カトリンの持つ「水属性・岩石族」というステータスを他に満たしているものは《魔救の奇石-ドラガイト》《魔救の奇跡-ドラガイト》《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》しかなく、これは《スモール・ワールド》を使う上では決して見逃せないポイントになります。横の繋がりが豊かな水属性界隈でもサーチからあぶれてしまっているカードは未だ多く、そう言ったカードを間接的に救済できるようになるのは《水界の秘石-カトリン》というカードが持つ価値の一つだと思っています。

とはいえ、世間では岩石族サポートとして「アダマシア」あたりへの投入が広く考えられているよう。こういう観点もあって良いよね、ということで記事は終わりです。また別のページで会いましょう!


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