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実は第8期から新規がない
遊戯王のアニメに登場したキャラクターの使用カードは、基本的にはそのアニメの放送中に主なカードが収録されますが、第9期で盛んになった過去カテゴリ強化の流れから、思わぬタイミングで新規カードが登場することがあります。例えばそれはレギュラーパックであったり、デュエリストパックであったり、プレミアムパックだったり……
ともかく、有名処のカテゴリであれば何度も新規カードが刷られることがありますし、一方で「えっ、このキャラのカード!?」と驚くようなカードが収録されることもあります。アニメ・漫画を追いかけていたデュエリストにとっては一種のサプライズになりますね。
……さて、今回紹介する、なかなか新規が来ないカテゴリですが。実は具体的なカテゴリ名がありません。「水属性・鳥獣族」のステータスは共通していますが……皆さんは分かりますか?
《零鳥獣シルフィーネ》
【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 水 / 鳥獣族 / 攻2000 / 守2200
鳥獣族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果を無効にし、このカードの攻撃力はこのカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの数×300ポイントアップする。このカードの効果は次の自分のスタンバイフェイズ時まで適用される。
思い出しましたか?
「遊戯王ZEXAL」で登場した「神代璃緒」の使うカードたちですね!
エースモンスターは、上に記載しているエクシーズモンスター《零鳥獣シルフィーネ》。
相手フィールドの全てのカード、という記載から永続魔法・永続罠・フィールド魔法にまで干渉することができるだけでなく、相手ターンも跨いで効果を封じる、一発逆転の効果を秘めているカードです。今でもこの「鳥獣族レベル4モンスター」という素材指定は珍しく、おいそれと狙って出せるようなカードでないことから、現在では知る人ぞ知る強カードという立ち位置になっています。
当サイトは、様々な水属性デッキに触れることを目的に色々頑張ってきたことがありますが、実はこのシルフィーネをエースに据えたデッキは完成しませんでした。今日はこのデッキについてお話をしながら、デッキが抱える重大な弱点や、新規カードの必要性について述べていきたいと思います。
穴だらけの重症デッキ
「水属性・鳥獣族」……何故このデッキに新規カードが必要なのか? 分からない人向けに説明していきますが、一言で言えば「デッキとしての体をなんとかギリギリ保っているが、もはや限界を通り越してしまった」という状況なんです。
まず考えるのが、先程見せたエースモンスター《零鳥獣シルフィーネ》をどうやってエクシーズ召喚するか、と言う話です。召喚条件は「鳥獣族レベル4モンスター×2」という条件。なんだかそこまで難しくないような気もしますが、これを1枚で満たせる「水属性・鳥獣族」のカードを探すと……
《ブリザード・サンダーバード》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 鳥獣族 / 攻1600 / 守1400
手札を1枚捨てて発動できる。「ブリザード・サンダーバード」以外の鳥獣族・水属性モンスターを自分の手札・墓地からそれぞれ1体ずつ選んで特殊召喚する。その後、フィールド上のこのカードを持ち主の手札に戻す。
「ブリザード・サンダーバード」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
お、いたいた。
発動条件は厳しいけど、とりあえずカテゴリ内のモンスターでエースが出せますね!
……悲しいお知らせがあります。
実は、「水属性・鳥獣族」でモンスターを横並びできるのはこのカードしかいません。
それはつまり、シルフィーネを使うだけなら【ハーピィ】を使った方が圧倒的に出るという事実。百歩譲ってもまだ【シムルグ】の方が出せます。どうしてこうなってしまったんでしょう?
そもそも論として、この「水属性・鳥獣族」という枠は存在すること自体がかなり危ういとも言えます。何故かと思ったそこのアナタ、とりあえず遊戯王データベースで「水属性」「鳥獣族」のモンスターカードを調べてみてください。すると……いったい何件出てきましたか?
なんと、記事を書いてる2023年1月現在は「12件」です。しかもこの中にはエクシーズモンスターが2体、他テーマと混ぜ物が事実上不可能な「ふわんだりぃず」モンスターが3体含まれているため、実際にメインデッキに投入できるモンスターは7種類。これ、テーマのモンスターの種類数じゃないですよ? 遊戯王の全カードプールを浚ってこの枚数です。
そして、その中で唯一横並び展開に使えるのが、先程示した《ブリザード・サンダーバード》です。
でも思い出してみてください。《ブリザード・サンダーバード》は、手札・墓地からそれぞれ1枚ずつ「鳥獣族・水属性モンスター」を特殊召喚する効果を持っていました。
そして、該当するモンスターはメインデッキには7種類……これでは、そもそもデッキとして成立しているのかすら怪しくなります。
ついでに言ってしまうと……「水属性・鳥獣族・レベル4」モンスターは、現在3種類しかいません。
通常モンスターさえいないんです。「水属性・鳥獣族」という神代璃緒の再現デッキが、どれだけ茨の道かお分かりいただけたでしょうか?
話題にすら上がらないもう1枚のエクシーズ
先程から、ランク4エクシーズモンスター《零鳥獣シルフィーネ》の話を続けてきましたが……カードの種類数に触れた時に「エクシーズモンスターが2体」と言っていたのを覚えていますか?
そう、つまり、「水属性・鳥獣族」モンスターにはシルフィーネの他にエクシーズモンスターがもう1体いるんです。しかもそれはちゃんと「神代璃緒」が使ったカードであるため、キャラデッキとしても申し分無し! では早速見てみましょう!
《零鳥姫リオート・ハルピュイア》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 鳥獣族 / 攻2500 / 守2100
鳥獣族レベル5モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力を0にする。
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……失礼しました。なにか凄い物を見たような気がします。
とまあ、今まで見てきた通り、「水属性・鳥獣族」という括りのモンスターたちは、自前でエースモンスターをエクシーズ召喚できないという業を背負っているのです。一応、リオート・ハルピュイアは《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》を使うことである程度場に出す難易度を下げることはできますが……
新規待ってます……!
実質的な最後の「水属性・鳥獣族」モンスターである《ブリザード・サンダーバード》が登場したのは、2014年2月発売のパック「PRIMAL ORIGIN」です。第8期の最後を飾ったパックですが、実はこのパックは筆者が遊戯王に復帰するきっかけになったパック。思い入れがあります。
いわゆる「神代璃緒デッキ」は、メインとなる部分がそこから一切変わらないまま9年目に突入しようとしています。これまでに水属性関係で間接的に強化を貰うことはありましたが、やはり彼女のデッキの特色は「鳥獣族でもある」というところ。これは水属性デッキの中では強力なアイデンティティになりますし、なんなら遊戯王全体のカードプールを見ても唯一無二のものになり得ます。
そういうことで、ぼくはこの「水属性・鳥獣族」デッキに新規カードが来ることを待ち望んでいます。勿論このままでも何とかデッキの形にしようと試行錯誤はしていますが……やっぱり使えるカードは増えて欲しい!
贅沢は言わないので、もう少し《ブリザード・サンダーバード》が使いやすくなるようなカードが来ないかなぁ……と夢見ながら、記事は終了させていただきます。新規まってるぜ……!
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