
目次
はじめに:ついにこのデッキを紹介する時が来た
アニメ「遊戯王ZEXAL」に登場する神代凌牙は水属性・魚族のモンスターをメインとして扱い、多種多様のエクシーズモンスターを用いて戦いました。彼の使ったカードは多くがOCG化されましたが、しばらくの間はインフレの波に呑まれて光届かぬ海の底へ……しかし、時代が過ぎて新規カードが登場するにつれ、彼の操る【シャーク】デッキは恐ろしい程までのレベルアップ――いや、ランクアップを遂げました。
2020年1月の「ETERNITY CODE」で収録された《ヴァリアント・シャーク・ランサー》を始めとしたカード群、2021年7月の「BURST OF DESTINY」で収録された《氷水のトレモラ》、そして2021年11月発売の「デュエリストパック-深淵のデュエリスト編」で収録された《アビス・シャーク》を始めとしたカード群は、彼の操るデッキをより強力に、より使いやすく進化させ続けています。構築の幅が広いこのデッキは今後も伸びることが大いに期待され、水属性で最も熱いデッキの一つと言っても過言ではないでしょう。
今記事では、そんな【シャーク】デッキのコンセプト・使用カードについて触れていきます。ではどうぞ、魚族エクシーズの世界へ!
デッキコンセプト紹介
【シャーク】は水属性・魚族モンスターによるエクシーズ召喚を主体としたビートダウンデッキです。ランク3~5のエクシーズモンスターを盤面に並べて様々な戦略をとることができます。エクシーズ素材となるモンスターも展開しやすいものが多く、手札・デッキから多くのモンスターを並べてエクシーズ召喚を狙えるのも特徴です。基本的にはランク4・5のモンスターがアタッカーと制圧を担い、ランク3はそのサポートに回ります。
展開先のエースモンスターはランク5のエクシーズモンスターで複数存在し、できることがそれぞれ違います。
条件付きで何度でも蘇る《CNo.101 S・H・Dark Knight》、相手ターンに相手モンスターをエクシーズ素材にできる《N・As・H・Knight》、相手モンスターの破壊効果が優れた《ヴァリアント・シャーク・ランサー》、これらをそれぞれ盤面によって使い分けながら制圧していきます。

《CNo.101 S・H・Dark Knight》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 水族 / 攻2800 / 守1500
レベル5モンスター×3
①:1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
②:X素材を持っているこのカードが破壊され墓地へ送られた時に発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、このカードの元々の攻撃力分だけ自分のLPを回復する。この効果で特殊召喚したこのカードはこのターン攻撃できない。この効果は自分の墓地に「No.101 S・H・Ark Knight」が存在する場合に発動と処理ができる。

《N・As・H Knight》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 水族 / 攻1700 / 守2700
レベル5モンスター×2
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドに「No.」モンスターが存在する限り、このカードは戦闘では破壊されない。
②:自分・相手のメインフェイズに、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。EXデッキから「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」Xモンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。その後、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を選んでこのカードの下に重ねてX素材とする事ができる。

《ヴァリアント・シャーク・ランサー》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 獣戦士族 / 攻2500 / 守1600
レベル5モンスター×2
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。自分フィールドのX素材を1つ取り除き、対象のモンスターを破壊する。自分フィールドに他の水属性Xモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分フィールドの他の水属性Xモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから魔法カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。
ランク5のエクシーズモンスターを並べるのは通常では難しいことですが、【シャーク】では「エクシーズ召喚の時にレベル3~5として扱う」効果を持つモンスターが複数種類存在するため、想像よりも難しくはありません。また、《CNo.101 S・H・Dark Knight》も魔法カード《RUM-七皇の剣》《バリアンズ・カオス・ドロー》《七皇昇格》でかなり場に出しやすくなっています。ランク4のエクシーズモンスターに罠カード《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》の墓地効果を使って出す、という手段もあります。
また、メインデッキで採用されるモンスターには、デッキから同レベル・同種族を特殊召喚する《カッター・シャーク》、手札の水属性モンスターを展開する《ランタン・シャーク》、手札から特殊召喚しながらレベル3~5の魚族をサーチする《アビス・シャーク》、手札・墓地から特殊召喚できる《クリスタル・シャーク》が存在します。エクシーズ召喚先の条件こそありますが、上記の疑似レベル変動効果をそれぞれ持っているため、大体の場合で望むままのエクシーズモンスターを呼び出せるでしょう。
このように、自力展開が可能なモンスターと強力な効果を持った魔法罠、制圧と突破の能力に優れたエクストラデッキのモンスターが揃っているのが【シャーク】の魅力です。個々のカードについての具体的な効果は以下をご覧ください。
「シャーク」関連カード紹介
モンスターカードで「シャーク」の名前を冠するものは沢山ありますが、ここでは、あくまでお試しデッキに入るようなモンスターのみに焦点を絞ってご紹介します。
メインデッキのモンスターカード
《カッター・シャーク》

《カッター・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 魚族 / 攻1600 / 守500
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じレベルでカード名が異なる魚族モンスター1体をデッキから守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:このカードを水属性モンスターのX召喚に使用する場合、このカードのレベルを3または5として扱う事ができる。
まずはこれがないと始まらない……【シャーク】においては必須となるモンスターカードです。①の起動効果によるデッキからのリクルート効果が強烈で、これによってランク4エクシーズモンスターを安定して呼び出せます。また、効果の「発動」を封じることから、後述の《ランタン・シャーク》が持つ「レベルを3または5として扱う」永続効果は阻害せず、あちらと組み合わせることでランク3~5のモンスターをエクシーズ召喚できます。
①のリクルート効果を使う際は、効果発動後にEXデッキからエクシーズモンスターしか出せなくなる点に注意してください。リンクモンスター《海晶乙女コーラルアネモネ》をEXデッキに入れている場合は、展開の際に特に注意が必要です。
《ランタン・シャーク》

《ランタン・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 魚族 / 攻1500 / 守900
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。手札から「ランタン・シャーク」以外のレベル3~5の水属性モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:このカードを水属性モンスターのX召喚に使用する場合、このカードのレベルを3または5として扱う事ができる。
場に出した場合に手札から魚族モンスターを更にもう1体展開できます。特殊召喚したモンスターは問題なく効果が発動できるため《カッター・シャーク》《揺海魚デッドリーフ》といった強力な効果を持つモンスターも問題なく使えます。《カッター・シャーク》よろしく、この効果を使ったターンはEXデッキからの展開に縛りが掛かる点には気をつけましょう。
《アビス・シャーク》

《アビス・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 5 / 水 / 魚族 / 攻1200 / 守700
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドのモンスターが水属性モンスターのみの場合に発動できる。手札のこのカードを特殊召喚し、デッキから「アビス・シャーク」以外のレベル3~5の魚族モンスター1体を手札に加える。このターン、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できず、自分の「No.」モンスターがモンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは1度だけ倍になる。
②:このカードを「No.」モンスターのX召喚に使用する場合、このカードのレベルを3または4として扱う事ができる。
場に水属性モンスターのみが存在する場合に限られますが、①の効果で自力展開と後続のサーチを同時に行える《アビス・シャーク》は特に理由が無い限り3積みとなる強力なカードとなります。召喚権を温存した展開に繋げやすいため、召喚時に効果が発動する《マーメイド・シャーク》や《ダブルフィン・シャーク》とも合わせやすい1枚です。
②の効果で「No.」エクシーズモンスターを場に出すサポートも行えます。後述の《クリスタル・シャーク》と同じ条件を持っているため、ランク5のモンスターを睨みながら《No.101 S・H・Ark Knight》のようなランク4モンスターも狙えます。
《クリスタル・シャーク》

《クリスタル・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 5 / 水 / 魚族 / 攻1100 / 守800
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札・墓地に存在する場合、フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚し、対象のモンスターの攻撃力を半分にする。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:このカードを「No.」モンスターのX召喚に使用する場合、このカードのレベルを3または4として扱う事ができる。
②の効果を《アビス・シャーク》と併用することでランク3~5の「No.」エクシーズモンスターを呼び出せます。このカードの最大の強みは①の効果による墓地蘇生で、《揺海魚デッドリーフ》と抜群の相性を誇ります。罠カード《氷結界》で墓地へ送って別のモンスターを回収するのも良いでしょう。
《ダブルフィン・シャーク》

《ダブルフィン・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 魚族 / 攻1000 / 守1200
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地からレベル3またはレベル4の魚族・水属性モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。この効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。
召喚時に墓地の魚族モンスターを蘇生することで、リンク・エクシーズ召喚の素材をひとつ分賄うことができます。召喚権を使うため《カッター・シャーク》《ランタン・シャーク》などと競合することもありますが、墓地からモンスターを蘇生させてランク4を作るのは、2021年12月現在このカードにしかできない仕事です。
《ライトハンド・シャーク》

《ライトハンド・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 魚族 / 攻1500 / 守1300
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「レフトハンド・シャーク」1体を手札に加える。
②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
③:フィールドのこのカードを含む水属性モンスターのみを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。●このカードは戦闘では破壊されない。
召喚成功時に《レフトハンド・シャーク》をサーチすることでアドバンテージを稼ぎながら、ランク4のエクシーズ素材としても優秀に機能してくれます。②の効果で墓地から蘇ることもできるため、召喚せずとも墓地へ送るだけで万が一への備えができます。
《レフトハンド・シャーク》

《レフトハンド・シャーク》
【 効果モンスター 】
星 3 / 水 / 魚族 / 攻1300 / 守1500
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドに「ライトハンド・シャーク」が存在する場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
②:このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合に発動する。このカードのレベルは4になる。
③:フィールドのこのカードを含む水属性モンスターのみを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。●このカードは効果では破壊されない。
基本的に《ライトハンド・シャーク》でサーチされることになるこのカードですが、あちらのカードがフィールドに存在する場合に手札・墓地からの特殊召喚が可能となります。《ライトハンド・シャーク》がレベル4であるため、ランク4のエクシーズ召喚を行うなら墓地からの特殊召喚を狙いたいところです。③の効果を組み合わせれば、戦闘・効果で破壊されないランク4エクシーズモンスターが完成します。
《エクシーズ・リモーラ》

《エクシーズ・リモーラ》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 魚族 / 攻800 / 守800
①:このカードは自分フィールドのX素材を2つ取り除き、手札から特殊召喚できる。
②:このカードの①の方法で特殊召喚に成功した時、自分の墓地の魚族・レベル4モンスター2体を対象として発動できる。その魚族モンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化され、表示形式の変更もできない。この効果で特殊召喚したモンスターをX召喚の素材とする場合、水属性モンスターのX召喚にしか使用できない。
自分フィールドのX素材を取り除く必要はありますが、このデッキでは《バハムート・シャーク》や《No.101 S・H・Ark Knight》のように素材が一つだけ残るカードが多く、《エクシーズ・リモーラ》でそれらをしっかり有効活用することができます。また、デッキ内に他の「エクシーズ」カードを採用している場合は《ジェネレーション・フォース》を同時採用することで、盤面に合ったカードを自在にデッキから加えられるようになります。
《エクシーズ・スライドルフィン》

《エクシーズ・スライドルフィン》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 海竜族 / 攻1200 / 守1800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドにXモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドにXモンスターが特殊召喚された場合、そのXモンスター1体を対象として発動できる。このカードをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
魚族でないため《カッター・シャーク》等でリクルートはできませんが、エクシーズモンスターを扱うにあたって便利な効果が内蔵されています。①の効果で更なる展開を狙うことができますが、②の効果も見逃せません。《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》《No.71 リバリアン・シャーク》で蘇生したモンスターの素材を補給できるのは地味に嬉しい点です。
エクストラデッキのモンスターカード
《No.101 S・H・Ark Knight》 / 《CNo.101 S・H・Dark Knight》

《No.101 S・H・「Ark Knight》
【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 水 / 水族 / 攻2100 / 守1000
レベル4モンスター×2
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードのX素材を2つ取り除き、相手フィールドの特殊召喚された表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。

《CNo.101 S・H・Dark Knight》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 水族 / 攻2800 / 守1500
レベル5モンスター×3
①:1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
②:X素材を持っているこのカードが破壊され墓地へ送られた時に発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、このカードの元々の攻撃力分だけ自分のLPを回復する。この効果で特殊召喚したこのカードはこのターン攻撃できない。この効果は自分の墓地に「No.101 S・H・Ark Knight」が存在する場合に発動と処理ができる。
シャークデッキと言えばこのカードでしょう! 特殊召喚された相手モンスターをX素材として吸収する効果は非常に強力で、破壊された場合・場を離れた場合どちらの効果の発動も許しません。このデッキでは《RUM-七皇の剣》1枚から場に出せるため「最後の切り札」的な運用も可能でしょう。
《バハムート・シャーク》

《バハムート・シャーク》
【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 水 / 海竜族 / 攻2600 / 守2100
水属性レベル4モンスター×2
①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。EXデッキからランク3以下の水属性Xモンスター1体を特殊召喚する。このターン、このカードは攻撃できない。
水属性ランク4、と聞いて本当に最初に思い浮かぶのはこっちかもしれません。このカードから呼び出せるモンスターは主に、自力でX素材を補充してダイレクトアタックが可能な《No.47 ナイトメア・シャーク》、墓地へ送られた場合に「RUM」魔法カードをデッキトップに固定させる《No.71 リバリアン・シャーク》、問答無用で相手のカード効果を1回止める《餅カエル》が挙げられます。
効果を一度使った後に相手ターンを跨いで生き残ることはおそらくないため、《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》でランク5エクシーズモンスターを上に重ねたり、《マスター・ボーイ》といったリンクモンスターのリンク素材にしてしまいましょう。あえて盤面に残すことで相手のヘイトを吸収することもできます。
《ヴァリアント・シャーク・ランサー》

《ヴァリアント・シャーク・ランサー》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 獣戦士族 / 攻2500 / 守1600
レベル5モンスター×2
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。自分フィールドのX素材を1つ取り除き、対象のモンスターを破壊する。自分フィールドに他の水属性Xモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分フィールドの他の水属性Xモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから魔法カード1枚を選んでデッキの一番上に置く。
ランク5と少々出しづらい立ち位置にはありますが、相手モンスターを1体破壊するシンプルな効果はどの盤面でも有効打となります。また、①の破壊効果で取り除くX素材は自身が持っているものでなくてもよいため、後から《死者蘇生》等で蘇生した後も他のエクシーズモンスターから素材を借りる形で発動できます。また、②の効果で相手の破壊を牽制することも可能です。カード登場当初は《RUM-七皇の剣》が念頭に置かれていただろう内容ですが、現在は《バリアンズ・カオス・ドロー》を置くこともできます。
場に出す方法としては《カッター・シャーク》《ランタン・シャーク》を用いて正規エクシーズを狙ったり、《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》の墓地効果でランク4エクシーズモンスターからランクアップさせる方法があります。
《N・As・H Knight》 / 《CX-N・As・Ch Knight》

《N・As・H Knight》
【 エクシーズモンスター 】
星 5 / 水 / 水族 / 攻1700 / 守2700
レベル5モンスター×2
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドに「No.」モンスターが存在する限り、このカードは戦闘では破壊されない。
②:自分・相手のメインフェイズに、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。EXデッキから「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」Xモンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。その後、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を選んでこのカードの下に重ねてX素材とする事ができる。

《CX-N・As・Ch Knight》
【 エクシーズモンスター 】
星 6 / 水 / 水族 / 攻2000 / 守3000
レベル6モンスター×3
このカードは自分フィールドの「N・As・H Knight」の上に重ねてX召喚する事もできる。
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
②:このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」Xモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは次の相手エンドフェイズに破壊される。
《N・As・H Knight》をイメージ元の《No.101 S・H・Ark Knight》と比べてみると、こちらはランク5と少々出しづらいことに対して、相手モンスターをX素材とする②の効果を相手メインフェイズでも発動できるようになっています。しかし効果の発動にはEXデッキから”オーバーハンドレッドナンバーズ”を下に重ねる必要があるため、採用にあたってEXデッキの容量が食われる一面もあります。
《CX-N・As・Ch Knight》の②の効果で上に重ねるモンスターの筆頭候補は《CNo.101 S・H・Dark Knight》や《CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ》の2枚になります。どちらも水属性であるため既存の展開で作られた縛りに抵触せず、破壊されても自己再生できる共通点があります。
《No.37 希望織竜スパイダー・シャーク》

《No.37 希望織竜スパイダー・シャーク》
【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 水 / 海竜族 / 攻2600 / 守2100
水属性レベル4モンスター×2
「No.37 希望織竜スパイダー・シャーク」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ダウンする。
②:このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時、このカード以外の自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
数あるエクシーズモンスターでも是非とも採用しておきたいのがこのカード。というのも【シャーク】は全体的に攻撃力は低めとなっており、攻撃力3000クラスのモンスターを並べられて押し負けてしまう場合があるからです。このカードの①の効果を使えば相手の全モンスターの攻撃力をまとめて下げることが可能となり、打点での突破が容易となります。②の効果によるリカバリーも非常に優秀の一言です。
同じ攻撃力サポートでは《深淵に潜む者》を採用することができます。こちらの場合は自分の水属性モンスターの攻撃力を500上げながら相手の墓地効果を封殺できるため、同時採用することで、戦闘面においてかなり強く出られます。
魔法・罠カード
《RUM-七皇の剣》

《RUM-七皇の剣》
【 通常魔法 】
このカード名の効果はデュエル中に1度しか適用できない。
①:自分のドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1開始時に発動できる。「CNo.」モンスター以外の「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」モンスター1体を、自分のEXデッキ・墓地から選んで特殊召喚し、そのモンスターと同じ「No.」の数字を持つ「CNo.」モンスター1体を、そのモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。
逆転の切り札、勝負を終わらせる最後の一押し、デュエルを華やかに彩ることができるこのカードは《CNo.101 S・H・Dark Knight》を呼び出すのに使われます。デッキトップ固定の手段が乏しかった当初は本当に素引きするしかありませんでしたが、現在は《No.71 リバリアン・シャーク》《ヴァリアント・シャーク・ランサー》《七皇昇格》などで確約することができるようになりました。また、《バリアンズ・カオス・ドロー》で無理矢理効果を適用させることもできます。
《バリアンズ・カオス・ドロー》

《バリアンズ・カオス・ドロー》
【 通常魔法 】
①:自分ドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1に、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●デッキから「セブンス」通常魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
●デッキからモンスターを2体まで効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターを全て含む自分フィールドのモンスターを素材として「No.」Xモンスター1体をX召喚する。
ドローフェイズにドローする必要こそありますが、効果は思わず二度見するくらいに強い効果となっています。一つ目の効果では《RUM-七皇の剣》と後述の《七皇昇格》を発動させることができ、どちらも盤面・手札を強力なものにしてくれます。二つ目の効果は言わずもがな、好きなモンスター2体を引っ張り出して「No.」を呼び出せるのです。《ヴァリアント・シャーク・ランサー》の効果でデッキトップへ固定できるため、返しの起点作りにはうってつけのカードと言えるでしょう。
《七皇昇格》

《七皇昇格》
【 通常魔法 】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:デッキから以下のカードの内いずれか1枚を選び、手札に加えるかデッキの一番上に置く。
●「七皇昇格」以外の「セブンス」魔法・罠カード
●「バリアンズ」魔法・罠カード
●「RUM」速攻魔法カード
②:EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、墓地のこのカードを除外し、手札から「RUM」魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
現代遊戯王ではよく見られる範囲の緩いサーチカードです。このカードの優秀なところは②の効果で、今まで手札へ来てしまって腐っていた《RUM-七皇の剣》の効果を無理矢理発動させることができてしまいます(このカードによる効果のコピーも、あちらの「デュエル中に1度」の回数にカウントされる点には注意が必要です)。また、他の「RUM」も発動のコストを踏み倒せることも覚えておきたいですね。
《エアー・トルピード》

《エアー・トルピード》
【 通常魔法 】
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:自分フィールドの水属性Xモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのX素材を1つ取り除き、自分の手札の数×400ダメージを相手に与える。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、この効果で与えたダメージの数値分アップする。
②:自分の墓地からこのカードと水属性Xモンスター1体を除外して発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
①の効果によるダメージ・攻撃力アップも侮れませんが、このカードはやはり②の効果が目当てとなるでしょう。何かと墓地に水属性Xモンスターが溜まりやすいこのデッキでは、中盤以降手札リソースが枯れ始めた時に大活躍してくれます。また、①②の効果は1ターンにどちらか片方しか使えないことにはよくよく注意してください。
《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》

《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》
【 通常罠 】
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:自分の墓地のランク4以下のXモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは水属性になる。
②:墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの水属性Xモンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターよりランクが1つ高い水属性Xモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。
状況によってはこのカード1枚でランク5の水属性エクシーズモンスターを場に出すことができます。「エクシーズ」カードであることから《ジェネレーション・フォース》のサーチに対応している点も優秀で、様々なカードと一緒に使い分けられます。②の墓地効果がメインだったら《おろかな副葬》で直接墓地送りしてしまっても良いでしょう。
また、このカードも①②の効果は1ターンにどちらか片方しか使えません。蘇生→ランクアップ、の流れを作りたい場合は相手エンドフェイズに蘇生するようにしましょう。
《不朽の七皇》

《不朽の七皇》
【 永続罠 】
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの、「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」XモンスターまたはそのモンスターをX素材としているXモンスター1体を対象とし、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●対象のモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスター1体を選び、その効果をターン終了時まで無効にする。
●対象のモンスターのX素材を全て取り除く。その後、自分の墓地から「No.」Xモンスター1体を選んで特殊召喚できる。
効果を使えるようになるまで下準備は必要になりますが、①の効果による効果無効、②の効果による「No.」蘇生、どちらも便利なものとなっています。二つ目の効果を使う場合はX素材を全て取り除く必要がありますが、恒久的にX素材を確保できる《CNo.101 S・H・Dark Knight》がいれば毎ターン別の「No.」を蘇生させることも可能です。
ここまでのおさらい
元々強化の流れがあった【シャーク】でしたが、深淵のデュエリスト編で登場したカードでいよいよデッキとしての形が固まってきました。紹介したカードを用いた動きについては主に以下のようになります。
- レベル4・5のモンスターを展開。《カッター・シャーク》でデッキから特殊召喚、《ランタン・シャーク》で手札から特殊召喚、《アビス・シャーク》でデッキからサーチ、《クリスタル・シャーク》を墓地から自己蘇生!
- 相手の盤面に応じて様々なエクシーズモンスターを呼び出そう。迷ったら、相手ターンでも盤面へ干渉できる《ヴァリアント・シャーク・ランサー》や《バハムート・シャーク》《餅カエル》あたりがおすすめ。
- 魔法カード《RUM-七皇の剣》《バリアンズ・カオス・ドロー》で勝利をこちらへ大きく引き寄せよう。
これまで紹介したカードだけでも十分強力ですが、それらをしっかりサポートできるカードを3枚、以下で紹介していきます。
カテゴリ外汎用カード紹介
《氷水のトレモラ》

《氷水のトレモラ》
【 効果モンスター 】
星 5 / 水 / 水族 / 攻1500 / 守1500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードを手札から墓地へ送って発動できる。手札から水属性モンスター1体を特殊召喚する。
②:このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドの表側表示の水属性モンスターが戦闘・効果で破壊された場合、このカードを除外して発動できる。自分の手札・墓地から「氷水のトレモラ」以外の「氷水」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
いや、水属性デッキならそりゃ入るでしょ……と思われるかもしれませんが、このデッキにおいては彼女が「レベル5」である点が輝きます。手札の水属性を特殊召喚した後にこのカードは墓地へ送られますが、なんと《ゲイザー・シャーク》の効果に対応しているのです。《バリアンズ・カオス・ドロー》の効果であらかじめ《ゲイザー・シャーク》とレベル5モンスターを墓地へ送り、あとこのカードを墓地へ送れば、ランク5を呼び出す準備が整ってしまうわけですね。
《サイレンス・シーネットル》

《サイレンス・シーネットル》
【 効果モンスター 】
星 4 / 水 / 水族 / 攻800 / 守1300
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドに水属性モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の水属性モンスターを3体まで対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。
手札から特殊召喚できるモンスターには《サイレント・アングラー》が存在し、あちらは魚族・レベル4であるため《カッター・シャーク》のリクルートや《アビス・シャーク》のサーチに対応します。それでもこちらのカードを入れたい理由として、デュエル中盤以降のEXデッキを回復させたいことが挙げられます。魚族であれば《揺海魚デッドリーフ》で戻して1ドローできますが、【シャーク】のEXデッキのモンスターは水族・海竜族・獣戦士族が多く、それだけでは対応できないのです。
《氷結界》

《氷結界》
【 通常罠 】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:相手モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。その相手モンスターは、攻撃力が0になり、表示形式を変更できず、効果は無効化される。
②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからレベル5以上の水属性モンスター1体を墓地へ送る。その後、自分の墓地から水属性モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。この効果の発動後、次の自分ターンの終了時まで自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
最強の水属性サポートカードですが、このデッキでは《クリスタル・シャーク》を墓地送りする役目も担います。また、《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》のように《おろかな副葬》で直接墓地へ送りたいカードが存在することから、状況によって《おろかな副葬》の適用先を変えるプレイングもできるようになるでしょう。
お試しデッキレシピ

メインデッキ
《カッター・シャーク》3
《ランタン・シャーク》2
《アビス・シャーク》3
《クリスタル・シャーク》2
《ダブルフィン・シャーク》1
《ライトハンド・シャーク》2
《レフトハンド・シャーク》2
《エクシーズ・リモーラ》1
《エクシーズ・スライドルフィン》1
《揺魚海デッドリーフ》2
《サイレンス・シーネットル》1
《氷水のトレモラ》1
《ゲイザー・シャーク》1
《RUM-七皇の剣》1
《RUM-クイック・カオス》1
《バリアンズ・カオス・ドロー》3
《七皇昇格》3
《エアー・トルピード》2
《おろかな副葬》2
《死者蘇生》1
《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》2
《不朽の七皇》1
《氷結界》2
エクストラデッキ
《No.101 S・H・Ark Knight》1
《CNo.101 S・H・Dark Knight》1
《N・As・H Knight》1
《CX-N・As・Ch Knight》1
《ヴァリアント・シャーク・ランサー》1
《CNo.73 激瀧瀑神アビス・スープラ》1
《No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ》1
《No.71 リバリアン・シャーク》
《No.47 ナイトメア・シャーク》
《No.37 希望織竜スパイダー・シャーク》1
《No.32 海咬龍シャーク・ドレイク》1
《バハムート・シャーク》1
《深淵に潜む者》1
《トライエッジ・リヴァイア》1
《餅カエル》1
まとめ
第9期以降にカードパワーのインフレが進んだことから、それ以前に生まれたカードはどうしてもパワー不足になってしまい、デッキとして戦えないという問題があります。この【シャーク】もそういった問題に直面していました。エースモンスターの《No.101 S・H・Ark Knight》以外を扱うことがなかなか難しかったのです。
ランク4を作るなら別に水属性でなくても良い……そんな風潮を変えてきたのが《カッター・シャーク》《ランタン・シャーク》といったカードたちです。何度かの強化を経て【シャーク】は現代の場に蘇り、アニメで主人公と張り合った強豪としての面目を取り戻しました。既存のエクシーズモンスターたちが盤面に現れる機会も増え、キャラデッキとして素晴らしい形の進化を遂げたのです。
今から集めるにはちょっと高く付くカードもありますが……興味があるならば組んでみてはいかがでしょうか。あの頃アニメで見たカードたちが大活躍してくれることでしょう。それではまた、別の記事で!